新宿から30分、キャンプみたいなシェアオフィス

黒川駅前に整備した「ネスティングパーク黒川」

 首都圏では都心、郊外ともシェアオフィスを併設する駅が増えてきている。ICT(情報通信技術)の進化でさまざまな“働き方”が生まれており、テレワーク(遠隔勤務)の場所としてニーズが拡大。フリーランサーや起業家らも、仕事場として重用している。  小田急電鉄は5月、ひと味違うシェアオフィス「ネスティングパーク黒川」を、多摩線・黒川駅(川崎市麻生区)前に開設した。橋上駅の階段を下りた先には、こぢんまりとした駅前広場を囲んで、キャンプ場と見まがうような芝生とログハウス調の小屋が並ぶ。  小田急多摩線は、1974年に多摩ニュータウンと都心を結び、沿線開発を目的に開通した路線。黒川駅周辺でも地元と区画整理に取り組み、小田急グループが宅地開発を進めた。段階的に人口が流入し、約40年かけて多様な世代が住まう町が完成したものの、開発当初には設計できなかったコンビニや駐車場といった利便施設の不足も顕在化していた。  小田急は20年度までの中期経営計画に「日本一暮らしやすい沿線づくり」(星野晃司社長)を掲げる。郊外駅をエリアの中核となる“集客フック駅”と夜間人口の増加を目指す“くらしの拠点駅”に分け、地域の個性に合わせた“仕掛け”づくりに取り組んでいる。  ネスティングパーク黒川も、多世代が暮らしやすい機能を駅周辺に集積させる取り組みの一環。シェアオフィス棟とともに、4棟の小屋には、店舗やワークショップに使える個室を並べた。地域住民の交流や起業欲を喚起する“仕掛け”だ。  「生活スタイル変化の中で職住近接のニーズがでてくる」(生活創造事業本部開発推進部担当者)と想定。ニュータウン再活性化のモデルケースを狙う。(木曜日に掲載) 1日の平均乗降人員は8582人(2018年度)で前年度比1.3%伸びた。各駅停車のみ停車し、新宿駅まで30―40分。

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