森ビルが働く女性の声を反映させたトイレを作った理由(前編)

身だしなみを整える「ドレッシングエリア」、個室内のベンチなど工夫

「ドレッシングエリア」奥は小物入れ

 会社で毎日誰しも必ず行く場所、トイレ。女性は特に、化粧を直したり歯磨きしたり、少しリフレッシュする場所としても活用していることが多い。  森ビルではトイレに着目し、働く女性の声を反映させた「モデルトイレ」を作り上げたという。  モデルトイレがあるのは六本木ヒルズ森タワーのとあるフロア。現在テナント入居準備中であり、空室時期に改修を行った。利用者にやさしい工夫ポイントごとに、モデルトイレを紹介する。 ①トイレに入りやすい廊下  トイレに向かう動線から、使いやすいように工夫がされている。壁は角が取られ、擦りガラスになっているため死角から来る歩行者の姿がぼんやり映るので、ぶつからない。 ②一番のこだわり「ドレッシングエリア」  「ドレッシングエリア」という化粧直しや歯磨きなど身だしなみを整えるエリアを森タワーで初めて新設。照明が暗いトイレも多いが、色温度をオフィスと同等にすることでオフィスでの化粧映えを確認しながら化粧直しができる。 また、およそ190人分の化粧ポーチなどが収納できる小物入れを設置。あえて間仕切りを少なくすることで利用者の増減に対応できるようにした。壁には木や貝など自然素材を使い、癒される空間づくりを目指した。 ③男女共通の便利な機能つき洗面台  洗面エリアは男女共通の仕様。洗面カウンターの端部分を少し立ち上げることで、傘をひっかけても落ちにくい仕様になっている。またオフィスということで、書類やかばんを持ってトイレに入る人も多い。そこで洗面台の下を棚にしてものを置けるようにし、手を洗っていても濡れないようにした。体格の差に配慮し、女性エリアは洗面台とハンドドライヤーの高さが男性より低く設置されている。 ④ベンチを設置した個室  設計上、一部の個室が広く取れることになり、空いたスペースにベンチを設置した。ストッキングの履き替えなど着替えに使用したり、気分がすぐれない時に少し休憩できるスペースとなっている。 ⑤男女の比率で個室の数を変更  男女トイレの個室の間仕切りは可動式。オフィスによって男女の比率が違う場合でも、間仕切りを移動させることで個室の数を増減できる。もともと女性の個室を増やせるつくりにはなっていたが、男性の個室も増やせるようにした。  しかし、森ビルが「女性の理想のトイレ」を作ったのはなぜか。後編ではプロジェクトを推進した2人の女性に話を伺う。 (後編は14日公開)

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