水素・燃料電池でトヨタとJR東がタッグ

水素ステーション整備や鉄道車両への燃料電池技術の導入で

トヨタ自動車は燃料電池車でリードしている

 トヨタ自動車とJR東日本は27日、水素を活用した鉄道と自動車を中心としたモビリティー関連で包括的な業務連携で基本合意したと発表した。トヨタの燃料電池車(FCV)などの技術と、JR東の鉄道や駅周辺開発などのノウハウを持ち寄り、水素ステーションの整備や鉄道車両への燃料電池(FC)技術の導入などを進める。低炭素社会の実現に向けて協力体制を築いていく。  具体的な取り組みとしては、JR東が進める「品川開発プロジェクト」や社有地に水素ステーションを整備するほか、鉄道に接続する地域交通へのFCVやFCバスの導入などを計画する。  大量の水素を搭載する移動体の安全性に関する技術の研究や、FC鉄道車両の開発・導入に向けた課題の解決などでも連携していく。 (日刊工業新聞 2018年9月28日掲載) (日刊工業新聞 2017年3月7日掲載、文=高屋優理)  JR東日本が2017年春、太陽光を利用した水素発電システムを駅に導入するなど、水素の活用を進めている。2020年以降の運行を視野に、水素を燃料とする車両の技術を開発する。JR東日本は、30年度に鉄道エネルギー使用量を13年度比で25%、二酸化炭素(CO2)排出量は40%のそれぞれ削減を目指している。省エネルギーや環境負荷低減を目的に、再生可能エネルギー関連技術の開発を加速し、実用化につなげる。  JR東日本が導入する水素発電システムは、東芝の「H2One」。太陽光発電で作った電気で水電解装置を動かし、水素を取り出して水素貯蔵タンクに貯蔵。その水素を使って燃料電池で発電し、駅舎の電源の一部として利用する。再生可能エネルギーを利用して水素を取り出し、発電するため、CO2排出はゼロとなる。  H2Oneを設置するのは、南武線武蔵溝ノ口駅(川崎市高津区)で、政府も進める水素社会の実現に向けた「エコステ」のモデル駅とする。JR東日本は川崎市と、水素エネルギーの活用で協定を結んでいる。災害時にライフラインが寸断された場合、同駅を一時滞在場所とすることも想定している。  このほか、JR東日本はCO2の排出がゼロとなる車両を、ローカル線に多い非電化区間へ導入することを想定し、水素を燃料とする車両の開発を進めている。現状、非電化区間の多くはディーゼル車両で運行しているが、排ガスやCO2が課題となっている。JR東日本は非電化区間でも電気で走行できる蓄電池車両を開発し、栃木県の烏山線や秋田県の男鹿線などで運行。並行して、電車運行における水素の活用の可能性を検討する。  水素を燃料とする車両は、フランスのアルストムが開発に成功し実用化にこぎ着けており、18年にもドイツで運行が始まる。JR東日本は今後、技術的な課題を検討し、メーカーや地方自治体などとも連携しながら、車両の開発を目指す。  政府は水素を次世代のエネルギーと位置づけ、水素社会の実現を目指す。世界最大規模の水素製造拠点の建設や、水素ステーションの整備を検討している。また、東京海洋大学などが20年の実用化に向けて、水素の燃料電池船を開発。鉄道においてもJR東日本を中心に、水素の活用を前提とした研究開発が進む。

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