建設現場にもIoT!?コマツの新世代ITサービスとは

「未来の建設現場実現に向けて取り組む。まずは日本で知見を」(大橋社長)

 コマツが建機メーカーの枠を超え、建設現場の全工程にまたがる課題解決に取り組む方向性を打ち出した。2月1日に日本国内で始める新ソリューション「スマートコンストラクション」は情報通信技術(ICT)をフル活用して建設現場の変革を目指す。背景には少子高齢化で人手不足が深刻化する建設現場の将来への危機感がある。(戸村智幸)  スマートコンストラクションは、コマツが進めてきたICT活用をさらに広げるものだ。ICTによる自動制御機能を搭載したブルドーザーや油圧ショベルを2013年以降に投入し、熟練者でなくても高度な作業をできるようにしてきた。  これらICT建機を軸に、建設現場の工程全体の生産性向上、安全対策などを支援するのが新ソリューションだ。無人ヘリコプターによる測量から始まる一連のメニューにより、現場の情報を極力電子データ化。クラウドコンピューティング基盤を通じて蓄積・解析し、効率的な施工を目指す。  大橋徹二社長は「未来の建設現場実現に向けて取り組む」と自社の方向性を説く。国内の建設現場は震災復興工事や都心再開発で活況だが、人手不足に悩まされている。少子高齢化が進み、将来はより少ない人手で現場を回す必要が出る。  日本の建設業界の将来の危機への対策として、新ソリューションを用意したと言える。大橋社長は「小規模な建設業者ができないことを支援できる。日本の土木建設業を元気にしたい」と抱負を述べる。メーカーが建機だけでなく、建設現場全体へのソリューションを提供することを「必然的なもの」と表現する。  当面は日本のみで提供するが、将来は海外への展開も目指す。少子高齢化が進む日本と海外では事情が異なるが、大橋社長は普及の芽はあると見込む。日本では熟練者の退職により、ICT建機で初心者でも熟練者並みの施工ができると提案するが、「海外も熟練者が不足している」と指摘する。技能不足による事故、工期遅れが起きる事例があるという。  ただ、課題になるのが提供のためのインフラ基盤の整備だ。ICTはもちろん、提供主体となる子会社コマツレンタル(横浜市神奈川区)のサービス体制と同様の条件を整えるのは難しい。「先進国のほうが新興国より可能性は高いが、まずは日本で知見を蓄える」と焦らず構える。  コマツは日本の建設現場の将来的な課題の解決策を提供することを、事業の方向性として示した。建機単体では国内での成長が難しいという計算もあると思われるが、建機メーカーとして建設現場の危機を救いたいという理念が新ソリューションにはある。それが受け入れられるかは、建設現場への普及具合によって明らかになる。

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