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航空ショーでの話題は中型機だったけど、「777X」の設備活発に

有力部品メーカーのウラノが長崎に新工場
航空ショーでの話題は中型機だったけど、「777X」の設備活発に

ボーイング「777X」のイメージ

 ウラノ(埼玉県上里町、小林正伸社長)は、航空機エンジン部品や半導体製造装置部品の生産能力を増強する。米ボーイングの次世代大型旅客機「777X」の生産レートの高まりなどに対応するため。投資額約11億円で、長崎工場(長崎県東彼杵町)に第4工場を新設する。さらに第5工場の計画も視野に入る。

 ウラノは長崎工場の3工場が立地する「東そのぎグリーンテクノパーク」内に第4工場を建設する。8月に着工し、10月に稼働する予定。平屋建てで延べ床面積は約1090平方メートル。15人の新規採用を計画している。第3工場と合わせて複合加工機など約20台を導入する。

 さらに2019年内をめどとする第5工場の新設も計画中。現工場の隣接地を検討している。最終的に長崎工場全体で現在より60人多い約200人体制を目指す。

 ウラノはチタンやインコネルなど難削材加工が強み。長崎県内と本社がある埼玉県内に生産拠点を持つ。高い強度が必要な航空機の開閉部分の部品や耐熱性に優れたエンジンのコア部品などを製造する。

 16年7月期の売上高は約35億円。航空機エンジン部品などの生産増により、19年7月期に同約60億円を目指している。

 小林正樹副社長は「加工材の大きさなどから埼玉と長崎のどちらの工場での加工が効率が良いか判断しながら増強を進めていく」と話している。

川重やIHIなど大手も動く


 造船・重機5社の17年度の設備投資額は、前年度比7・9%増の4150億円となる見通しだ。川崎重工業IHI、住友重機械工業の3社が前期に比べて投資額を積み増す。成長市場である航空機関連分野の生産能力増強に加え、工場のIT・自動化といった生産合理化への投資を加速する。

 前年度比約2割増を計画する川重とIHIは、航空機関連が重点投資事業の一つ。IHIは欧エアバス「A320neo」用の新型ジェットエンジン「PW1100G―JM」の増産対応などに充てる。川重は米ボーイングの次世代大型機「777X」向けや、民間航空機ジェットエンジン部品の生産体制を整える。三菱重工業も航空機向けで一定の投資がありそう。

 住重は同約4割増の350億円を計画。全社で情報化投資を加速し、業務効率化につなげる。加えて、17―19年度の3カ年設備投資を800億円に設定。減速機射出成形機といった主力事業の増強を手当てする。三井造船は17―19年度の設備投資に400億円を投じる計画だ。国内拠点の生産性向上や海外拠点の整備を進める。
2017年7月4日、6月13日付 日刊工業新聞
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
6月のパリ航空ショーでボーイング関連の話題は将来の中型機「797」計画に集中しましたが、実は大型機「777X」の機体生産が今年スタートしており、日本のサプライヤーの設備投資が活発になっています。777Xは20年の就航が計画されています。

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