「ファミリードンキ」あるかも?
澤田改革の始まりか
ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテホールディングス(HD)は13日、業務提携の検討を始めたと発表した。商品開発や物流の効率化、店舗の共同運営や海外市場の開拓などに関して、半年以内をめどに提携内容を具体化し、契約の締結を目指す。会見した高橋光夫ドンキHD専務は資本提携の可能性については「現時点では未定」と説明した。
提携検討は5月初旬にドンキHD側からユニー・ファミマHDに持ちかけた。ユニー・ファミマHDはコンビニエンスストアと総合スーパーマーケット(GMS)が、ドンキHDはディスカウントストアが主力で、競合関係が少なく相互補完が見込めると判断した。
ドンキHDの2017年6月期決算は28期連続の増収増益を見込むなど業績は好調だが、高橋専務は「日々進化する中で課題はある。ユニー・ファミマHDから学びたい」と話した。
ファミリーマートはグーグルと協業し、プロジェクト「ファミマ10x」を発足して店舗の業務改善や、次世代店舗の構築に取り組む。グーグルが日に開いたイベントで発表した。2018年2月期中に実験を始める。本社業務の改善効果を検証し、取り組みを店舗にも広げる。
業務の多様化や人手不足で、店舗や本社の業務負担は増している。ファミマはすでに出店計画やおにぎりの発注などに関してグーグルのシステムを用いて実証実験をし、効果を得た。澤田貴司社長は「ファミマの企業文化の変革にもつなげたい」としている。
量販店やコンビニエンスストアが、店舗のトイレを工夫している。性的少数者(LGBT)や車いす利用者を含めて、「誰もが使いやすいトイレ」を整えることで来店者の増加を図っている。トイレという店舗に不可欠なインフラを充実させることで、「ついでに買う」「トイレを借りたお礼」といった消費が見込めるメリットもあるようだ。
ドン・キホーテ(東京都目黒区)は、12日に東京都渋谷区で開いた旗艦店「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」に、「オールジェンダー」トイレを3室設けた。性別に関係なく使うことができる。
MEGAドン・キホーテ渋谷本店の池上維彦店長は、オールジェンダートイレを設置した理由を「男性だが女性トイレを使いたい、しかし、周りから白い目で見られるといった声を聞いていた」と説明する。
渋谷区が2015年に日本で初めて、同性同士のパートナーシップを公的に認める条例を施行するなど、LGBTを念頭に置いた施策を進めている点も意識した。オールジェンダーのトイレのほか、車いす利用者らが使いやすい多目的トイレも設けている。
ファミリーマートは19日、多目的トイレの設置店舗をホームページを使って検索できるようにした。車いすの利用者から「外出先でトイレを探すのが難しい。コンビニの設置状況が把握できれば、行動範囲が広がる」と意見が寄せられたことがきっかけとなった。
各店舗のトイレの広さや店舗の通路幅、段差を測ってデータベースにし、検索機能に生かした。設置店舗の店頭に順次、ステッカーを貼り付ける。
同社は13年から、小規模店舗を除いて多目的トイレを標準仕様にしている。現在はファミリーマートとグループのサークルK、サンクスの計3800店舗に設置している。ベビーカーや、高齢者の歩行を補助するシルバーカーのユーザーにとっても利便性が高い。
ドン・キホーテやファミマがトイレに力を入れる理由は、多様性の尊重や社会貢献だけではない。トイレに足を向けてもらうことが、買い物をする動機付けにもつながるとの思いがある。20年の東京五輪・パラリンピックも視野に入れ、トイレに着目した店作りが進みそうだ。
(江上佑美子)
提携検討は5月初旬にドンキHD側からユニー・ファミマHDに持ちかけた。ユニー・ファミマHDはコンビニエンスストアと総合スーパーマーケット(GMS)が、ドンキHDはディスカウントストアが主力で、競合関係が少なく相互補完が見込めると判断した。
ドンキHDの2017年6月期決算は28期連続の増収増益を見込むなど業績は好調だが、高橋専務は「日々進化する中で課題はある。ユニー・ファミマHDから学びたい」と話した。
日刊工業新聞2017年6月14日
グーグルとも協業
ファミリーマートはグーグルと協業し、プロジェクト「ファミマ10x」を発足して店舗の業務改善や、次世代店舗の構築に取り組む。グーグルが日に開いたイベントで発表した。2018年2月期中に実験を始める。本社業務の改善効果を検証し、取り組みを店舗にも広げる。
業務の多様化や人手不足で、店舗や本社の業務負担は増している。ファミマはすでに出店計画やおにぎりの発注などに関してグーグルのシステムを用いて実証実験をし、効果を得た。澤田貴司社長は「ファミマの企業文化の変革にもつなげたい」としている。
日刊工業新聞2017年6月15日
トイレつながり?
量販店やコンビニエンスストアが、店舗のトイレを工夫している。性的少数者(LGBT)や車いす利用者を含めて、「誰もが使いやすいトイレ」を整えることで来店者の増加を図っている。トイレという店舗に不可欠なインフラを充実させることで、「ついでに買う」「トイレを借りたお礼」といった消費が見込めるメリットもあるようだ。
ドン・キホーテ(東京都目黒区)は、12日に東京都渋谷区で開いた旗艦店「MEGA(メガ)ドン・キホーテ渋谷本店」に、「オールジェンダー」トイレを3室設けた。性別に関係なく使うことができる。
MEGAドン・キホーテ渋谷本店の池上維彦店長は、オールジェンダートイレを設置した理由を「男性だが女性トイレを使いたい、しかし、周りから白い目で見られるといった声を聞いていた」と説明する。
渋谷区が2015年に日本で初めて、同性同士のパートナーシップを公的に認める条例を施行するなど、LGBTを念頭に置いた施策を進めている点も意識した。オールジェンダーのトイレのほか、車いす利用者らが使いやすい多目的トイレも設けている。
ファミリーマートは19日、多目的トイレの設置店舗をホームページを使って検索できるようにした。車いすの利用者から「外出先でトイレを探すのが難しい。コンビニの設置状況が把握できれば、行動範囲が広がる」と意見が寄せられたことがきっかけとなった。
各店舗のトイレの広さや店舗の通路幅、段差を測ってデータベースにし、検索機能に生かした。設置店舗の店頭に順次、ステッカーを貼り付ける。
同社は13年から、小規模店舗を除いて多目的トイレを標準仕様にしている。現在はファミリーマートとグループのサークルK、サンクスの計3800店舗に設置している。ベビーカーや、高齢者の歩行を補助するシルバーカーのユーザーにとっても利便性が高い。
ドン・キホーテやファミマがトイレに力を入れる理由は、多様性の尊重や社会貢献だけではない。トイレに足を向けてもらうことが、買い物をする動機付けにもつながるとの思いがある。20年の東京五輪・パラリンピックも視野に入れ、トイレに着目した店作りが進みそうだ。
(江上佑美子)
日刊工業新聞2017年5月26日