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トヨタ系サスペンション関連部品メーカーの“焼結革命”

ファインシンターが粉末冶金の時間を3分の1に。米工場に新ライン
トヨタ系サスペンション関連部品メーカーの“焼結革命”

効率を高めた生産ラインを米国にも展開する(滋賀工場)

 ファインシンターは今秋をめどに、粉末冶金部品の焼結時間を従来比3分の1に短縮した新型ラインを米国工場に導入する。2014年から滋賀工場(滋賀県愛荘町)などで本格展開する少量生産用のラインで、投資額を抑制しつつ生産効率を高める。海外工場の増強を進め、2021年3月期の連結売上高を17年3月期比約25%増の465億円に引き上げる。

 米オハイオ州の工場で6月から第2工場が本格稼働するのに合わせ、ショックアブソーバー部品の生産ラインを刷新する。新ラインは材料の配合などを工夫して焼結を1段階でできるようにし、焼結時間を従来比3分の1の45分に短縮した。

 またプレス工程も効率化し、従来は全長35メートルあった生産ラインを10メートルにした。1ラインの生産能力は従来よりも低いが、投資額は約4割削減でき、小規模生産に適している。

 新ラインは14年から日本やインドネシアなど国内外の工場で展開してきた。米国での新ラインの整備や新規受注した変速機などの生産設備を含め、18年3月期は海外工場に約10億円を投じる方針だ。

 同社はトヨタ自動車系の粉末冶金部品メーカーで、エンジンや変速機の部品が主力。新幹線用の集電材などにも力を入れており、現在10%前後の非自動車分野の売上高比率を21年3月期に25%に高める目標も掲げている。

日刊工業新聞2017年6月8日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
個人的に自動車部品の中でも、トヨタ系に限らずサスペンション関連の再編に注目している。

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