電池の劣化、X線で容易に分析
広島大が金属価数変化計測に成功
広島大学大学院工学研究科の早川慎二郎教授らは、通常X線源で電極反応の「イオン価数」(イオンの電荷の数)が変化する様子を計測することに成功した。金属にX線を照射し、吸収スペクトルの変化で金属の価数変化を計測する。銅メッキで測定能力を検証し、メッキ量と銅の価数変化が対応することを確認した。電池の劣化要因の分析がしやすくなる。2年をめどに画像計測の実現を目指す。
メッキ中の銅電極にX線を照射し、金属銅のスペクトルと銅イオンのスペクトルとを計量し、銅の価数変化を求めた。メッキ反応が進むにつれてメッキ液の銅イオンが減っていく様子を計測できた。この変化はメッキ量と対応していた。
X線源は出力2キロワットで、分光結晶で散乱させてスペクトルを検出する。研究室で運用できるため、電池の高温耐久試験や破裂試験などに応用できる。
劣化で電流電圧の挙動が変化する前後でのイオン価数変化を監視するなど、耐久性試験中の電池反応を計測するなどの応用が期待できる。現在は電池反応の“その場観察”には放射光施設が利用されている。
今後、高出力のX線装置を導入してビーム径をしぼり、微小領域の観察を進める。またX線ビームを走査して電極表面の反応を画像として計測することを目指す。
メッキ中の銅電極にX線を照射し、金属銅のスペクトルと銅イオンのスペクトルとを計量し、銅の価数変化を求めた。メッキ反応が進むにつれてメッキ液の銅イオンが減っていく様子を計測できた。この変化はメッキ量と対応していた。
X線源は出力2キロワットで、分光結晶で散乱させてスペクトルを検出する。研究室で運用できるため、電池の高温耐久試験や破裂試験などに応用できる。
劣化で電流電圧の挙動が変化する前後でのイオン価数変化を監視するなど、耐久性試験中の電池反応を計測するなどの応用が期待できる。現在は電池反応の“その場観察”には放射光施設が利用されている。
今後、高出力のX線装置を導入してビーム径をしぼり、微小領域の観察を進める。またX線ビームを走査して電極表面の反応を画像として計測することを目指す。