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東芝の17年3月期、赤字9500億円。監査承認なし暫定値

 東芝は15日、2017年3月期連結決算について、監査承認を得ていない暫定的な数値を見通しとして発表した。米原発子会社ウェスチングハウス(WH)が米連邦破産法を申請するなどした原発事業の巨額損失が響き、純損益は9500億円の赤字となった。監査法人から「適正」の見解を得られないまま発表した16年4~12月期決算に続く異例の対応。綱川智社長が午後2時に記者会見する。

 純損失額は日立製作所が09年3月期に計上した7873億円を上回り、国内製造業で過去最大となる。東芝は巨額損失により、17年3月末に負債が資産を上回る債務超過に陥った。債務超過額は株主資本ベースで5400億円、純資産ベースで2600億円となる。

 東芝は今後、担当のPwCあらた監査法人の監査を得て、業績内容などを正式に示す有価証券報告書を関東財務局に提出する必要がある。6月末が法定期限となるが、監査が遅れており、提出の延期を申請する可能性が高い。
日刊工業新聞2017年5月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
これでも来期のV字回復は難しい。人員対策などを含め追加リストラは避けられない。主要4事業の分社化もどこまで議論して決めたものなか、マイナス面のことを考えると拙速感がある。銀行管理下での再建は会社の解体につながる恐れもある。

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