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40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい

QQイングリッシュ・藤岡代表に聞く“英語好きな人”の作り方
 日本人は英語が苦手な人が多い。本来、楽しいものだが『話せない=嫌い』となっている。受験やテストなど点数を取る目的を省けば、もっと面白く、大変でなくなる。QQイングリッシュ最高経営責任者の藤岡頼光氏に“英語好きな人”の作り方を聞いた。

―藤岡さんも30代までは英語と無縁だったと聞きました。
 「私は元々、バイク便やバイク販売を手がける“バイク屋のおやじ”。40歳まで英語は必要ないと思っていた。だが英語が話せるようになり、今ではフィリピンで英会話学校を経営し、世界7カ国、1000人のスタッフを抱える。英語を話せるようになって人生が大きく変わった」

―「捨てる」勉強法を推奨しています。
 「ネーティブ(母国語)の英語や正確な文法、完璧な聞き取りを『捨てる』ことが大事だ。私の場合、『話す・聞く』に特化している。もちろん『読む・書く』も必要だが、時間がない社会人が全てを学び直すことは時間的にも難しい。選択と集中が必要だ」

―効果的に勉強する方法は。
「『ブロック式英語勉強法』だ。英語を使いこなすというのは水でコップを満たすイメージ。従来の勉強法はバランス良く勉強して満遍なく水でコップを満たした。ブロック勉強法は『氷の塊(ブロック)』を積み上げる。テキスト1冊を丸暗記して完璧に習得できたら1個のブロックが完成という仕組み。“抜け”は多いが上達が目に見えて早い」

「私は英単語教材『DUOセレクト』の例文を丸暗記した。これが強固なブロックとなり、今の英語力の土台だ。完璧でなくても1個のブロックができると楽しくなる。ここを突破してほしい」

―フィリピンで英会話学校を経営するのはなぜですか。
「単にコストが安いからではなく、講師が教えるのがうまい。フィリピンはビジネス英語指数(BEI)で世界首位という英語力がありながら、非ネーティブで学ぶ大変さも知っている。まさに英語学習の成功者だ。ホスピタリティーがあることもマンツーマンの教育に適している」

―今後はバイク便経営の第一線から退いて、英会話事業に専念されるそうですね。
「日本の英語教育も話すことを重視するなど大きく変わろうとしている。英語を楽しく話すためには話す相手が必要だ。街のスクールのグループ学習では英語を話す時間はわずか。一対一で話す機会を与え、話す楽しさを体験してもらいたい」

「バイク便、バイク販売と人生の“ブロック”を積み上げてきた。英会話事業も新しいブロック。英語教育の大革命をやり遂げるのが人生の夢だ」

―英語の魅力は。
「私は根っからのバイク乗りだが、ツーリングの醍醐味(だいごみ)は山道のコーナーを曲がると景色が変わること。コーナーの先に何があるのかと考えるとワクワクする。視界が一気に開けた時の感覚は最高だ。英語も同じ。少しずつ話せるようになれば見える景色も変わってくる。この喜びを伝えたい」
藤岡頼光氏

<略歴>
84年(昭59)川口市立県陽高卒。92年バイク配送センター(現キュウ急便)を設立し、社長。00年にバイクショップのコネクティングロッド設立。09年にフィリピン・セブ島に拠点を置く英会話学校「QQイングリッシュ」を設立し、社長。埼玉県出身、51歳。
日刊工業新聞年2017月4日3日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
本のタイトルに「40歳を過ぎて・・・」とあるが、藤岡さんは「50歳でも英語は十分手に入れられる。60歳で留学する人もいる。英語を話すのに年齢的に無理と言う人に『無理じゃない』と言いたい」と話す。何でも踏み出す気持ちさえあれば十分できる。ちょうど大型連休も真っ最中。まずは本に手を伸ばすところから始めたい。

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