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東芝、TDK・昭和電工と次世代HDD量産。共同出資の新会社も視野

日本連合は世界に対抗できうるのか
東芝、TDK・昭和電工と次世代HDD量産。共同出資の新会社も視野

東芝のHDD

 東芝はTDK、昭和電工と共同で、2019年度に次世代ハードディスク駆動装置(HDD)を事業化する。東芝とTDKなどの工場で相互に人材を派遣し、製造情報も一元化する。将来は3社による共同出資会社の設立も視野に入れる。東芝は海外原子力発電と半導体メモリーの両事業を切り出した後の注力事業の一つに、HDDを位置付けている。次世代HDDで大容量化で先行する米ウエスタンデジタル(WD)、米シーゲート・テクノロジーのHDD2強に対抗する。

 東芝はHDD事業について、19年度に売上高3600億円、営業利益率5%を目指している。その実現に向けHDDの競争力強化が課題となっていた。

 HDDについては磁気ヘッドをTDKから、メディアを昭和電工から調達している。大容量化を特徴とする熱アシスト記録方式などを採用した次世代HDDについては、3社が連携してすでに研究開発しており、試作品を完成した。

 事業化に向け、この連携をさらに深める。東芝のHDDの主力拠点であるフィリピン工場、TDK、昭和電工のそれぞれの工場と、生産データを一元化する。部品と完成品組み立ての生産を一元管理して、効率的な体制とする。

HDDに関する設計システムも共通化する計画。完成品の設計変更を迅速に部品設計に反映できる。

人員面では、東芝のフィリピン工場に東芝、TDK、昭和電工の技術者を計50人程度駐在させる。さらに、東芝の技術者をTDKなどの工場に派遣し、量産技術を含めた開発体制を確立する。

HDD市場はWD、シーゲート、東芝の3社がシェアを分け合う構図だが、東芝のシェアは20%強で最下位。WD、シーゲートは中核部品を含めHDDを内製化し、開発のスピードや製品力を高めている。東芝は部品各社と関係を強化して製品力を高め、次世代HDDで巻き返しを図る。
                

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日刊工業新聞2017年4月20日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
HDD市場はWD、シーゲート、東芝の3社がシェアを分け合う構図だが、東芝のシェアは20%強で最下位。WD、シーゲートは中核部品を含めHDDを内製化し、開発のスピードや製品力を高めている。東芝は部品各社と関係を強化して製品力を高める考え。「次世代」と書くと何か前向きな感じを受けるが、構造改革、弱者連合という印象もある。そもそも東芝がHDD事業を自社では抱えきれないのではないか。

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