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電話をかけられないSNS世代の新人教育

鉄は熱いうちに打て。さもなくばいずれ「退職届」もスタンプで
 老眼が進んだせいか、パソコンやスマートフォンに送られてくる電子メールが読みづらくてしんどい。文字を拡大すると少しは楽だが、じっくり読むと疲労度が2倍3倍に増す。共感して下さる読者の方も多いのではないか。

 メールへの業務依存は年々、進んでいる。当方が送信すると直ちに返信が送られてくる。長文の返信をみると、それだけ書く時間があるなら電話した方が早いのでは、と思う。電話なら声の調子など、テキスト以外の情報も伝えられるはずなのに。

 最近の若者はソーシャルメディアに幼少時から親しんでいるせいか、電子メールすら古めかしいコミュニケーション手段だと感じる。会員制情報サイトの仲間と、単文でひんぱんに“会話”する。時には顔文字だけで意志が通じる。

 だから「電話がかけられない」「受けられない」のだそうだ。おわびなど都合の悪い話はもっぱらメール。嫌な上司への報告もメールで済ませる。それでは社会人として成り立たないというのは、古い感覚だろうか。

 鉄は熱いうちに打てという。新入社員教育は最初が肝心。職務ごとのOJTの前に、ビジネスマナーをきちんと教えておかないと、いずれ「退職届」をメールで受け取ることになりかねない。
日刊工業新聞2017年4月14日「産業春秋」
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
異常にパワハラに気を遣う上司を増えてきたな、という印象。コミュニケーションを簡略化する若手。昨今の「働き方改革」はこの状況をさらに助長しそうな気もする。まぁ、ビジネスマナーをしらない中年や、社会マナーを守らない老人もたくさんいるが…。

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