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宇宙ベンチャーが創り出す“よるなかの人工流星”

ALEが超小型衛星を使って観賞するプロジェクト
宇宙ベンチャーが創り出す“よるなかの人工流星”

将来、都市で人工の流れ星を眺めることができるかもしれない(ALE提供)

 宇宙関連ベンチャーのALE(東京都港区、岡島礼奈社長)は、人工的に流れ星を作り地上で鑑賞するプロジェクト「シューティング・スター・チャレンジ」を2月に始めた。超小型衛星「ALE(エール、仮称)」からパチンコ玉くらいの大きさの金属粒を軌道上で放出。粒が大気圏に突入し燃え尽きる際、夜空に流れ星が見える仕組みだ。

 岡島社長は「人工の流れ星を鑑賞する文化を作り、世界中に広げてビジネス展開したい。基礎科学の発展にも役立てたい」と意気込む。

 流れ星は数ミリ―数センチメートルの塵が大気圏に突入する際に発光する現象だ。プロジェクトでは、上空500キロメートルで地球を回る衛星から直径約1センチメートルの金属粒を大量に放出。粒は上空60キロ―80キロメートルの大気圏に突入し、燃えて流れ星になる。

 2018年後半に初号機を打ち上げ、19年に流れ星を発生させる計画だ。最初の流れ星の発生場所は、岡島社長の出身である中国地方の中から、世界に名の知られる広島の上空を選んだ。広島県の瀬戸内地域から半径100キロメートル圏内にある岡山市や松山市からも流れ星を見られるはずだ。

 軌道上に展開する衛星を毎年1機ずつ増やし、最終的に10機程度で運用する考えだ。そのため国内外で活発化している安価な小型ロケットの開発に期待する。「夜空の両側から流れ星を放出するなど演出の幅を広げたい」(岡島社長)と今後の展開を思い描く。
(文=冨井哲雄)
日刊工業新聞2017年4月7日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
映画化された人気漫画「ひるなかの流星」では、主人公が小学校のときに、熱を出して早退し自宅へ戻る際に道に迷うと、真昼の空に流れ星をみつけ、追いかけたら自宅にたどり着いたというエピソードがある。よるなかの流星はどこに導いてくれるのか。

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