パナソニック、有機ELテレビ拡大の裏に韓国の存在あり
パネル供給でLGと思惑一致!?テレビ事業は過去の教訓を生かせるのか
「プラズマのように売上高を追うと健全でなくなる」
しかしパナソニックは昨年、売上高10兆円の目標をあっさり撤回した。津賀一宏社長は「プラズマテレビのように利益が出ない状況で売上高を追うと健全でなくなる」と反省する。
プラズマや液晶のディスプレーでも大型投資をして、結果、巨額損失により痛い目にあっている。有機ELディスプレーも一時内製化も視野に入れていたが、結局、ソニーと事業統合し「JOLED」を設立した。
そのJOLEDも日の丸液晶会社のジャパンディスプレイと統合することになった。ジャパンディスプレイは、今のところテレビ用の有機ELパネルを量産する余裕はない。
シャープは親会社の台湾・鴻海精密工業の資金力を武器に 18年度中にテレビ販売を年1000万台まで増やす計画。1億円で売却した欧州テレビ事業を100億円強で買い戻すことを決断。
また鴻海の液晶子会社からパネルを調達、フルハイビジョンの16倍の解像度の「8K」を発売を予定するなど拡大路線に舵を切った。
IoT時代の到来で再び注目され始めたテレビ事業。パナソニックはどのような収益モデルを築いていくのか。ラスベガスで開催中の世界最大の家電見本市「CES」で華やかに披露している裏で、重い課題が突きつけられている。
日刊工業新聞2017年1月7日の記事を大幅加筆