コマツに挑む。建機3社トップインタビュー
**日立建機・辻本雄一社長
「鉱山機械シェア向上へ」
―国内外の需要の見通しは。
「地域によっては好転する兆しがみられ、中国は底打ち感が出ている。油圧ショベルの需要を2万2000台と見込んでいたが、もう少し回復しそうだ。春節明けの需要で今後を占うことができる。一方、駆け込み需要の反動が続く日本や、エネルギー関連の投資が減少している北米などは不調だ」
―インド市場の成長が見込めます。
「比較的に好調で、上期だけをみると中国を抜くかもしれないと思っていた。インドで生産している機種を現地で販売するとともに、中東にも輸出している」
―中国・安徽省の第二工場を売却する方針を示しましたが世界の生産状況は。
「需要地で生産するのが基本で、生産品を組み替えることで、作業量を確保する。例えば、(需要が落ち込んでいる)ロシアの工場では欧州の工場に溶接による構造物を供給している。逆にインドネシアの工場は東南アジアでの需要が高まっていて忙しい」
―鉱山機械分野の企業を相次いで買収します。
「米H―Eパーツは米州や豪州で鉱山機械の修理を手がけていて、部品も開発している。長期間稼働している機械の買い替えに関連する情報を共有し、H―Eパーツを通じて我々の機械が導入されていない鉱山も開拓できる」
―中期経営計画の重点分野の一つが鉱山機械です。
「まだまだやるべきことが多い。2008年に始めたダンプトラックのシェアが約10%で、さらに高める必要がある。機械を導入してもらうためには、サービス体制を整える必要がある」
―工事現場でICTを活用するニーズが見込まれます。
「昨年10月に『ICTデモサイト』を開設し、測量機器メーカーのニコン・トリンブルやドローンによる測量を手がけるテラドローンなどの製品も紹介している。今後もさまざまな企業と連携する」
「測量機器会社との連携重視」
―国内市場は需要が低迷していて厳しい状況です。
「メーンの顧客であるレンタル会社は、建機の稼働率が落ち込んでいることもあり、(購入を)様子見の状況だ。排ガス規制に伴う駆け込み需要を見込んでいるが、最小限にとどまるだろう。一方で、シェアは伸ばしている」
―国土交通省が工事現場での情報通信技術(ICT)の活用を進める方針を打ち出しました。
「(ICT対応に向けた組織の)『ICTホルナビ推進室』を設けていて、測量機器メーカー3社とも協業する。ただ我々の目的は油圧ショベルを売ることだ。測量機器メーカーの事業領域には手を出さない。石橋をたたいて渡るような意識で取り組んでいく。かなり大規模な工事はアイ・コンストラクションに対応するだろうが、大多数の工事はまだまだ従来通りだ」
―中国市場の動向をどう見ますか。
「建機の稼働時間が以前よりも2割程度増えており、下期も需要が高まっている。しかし、代理店の財務体質が弱い状況だ。そのためシェアを伸ばすことよりも、(販売面での)与信管理を最も重視している。春節明けの需要も当てにすることなく、市場を保守的にとらえている」
―アジアでの拡販も求められます。
「インドでは需要が前年同期よりも3割以上伸びている。ハイエンド(上級)の油圧ショベルではトップシェアを握っていると考えている。東南アジア全体でみても、シェアが高まっている」
―コベルコクレーンと経営統合してから4月で丸一年を迎えます。
「人事や財務、資材調達などを一本化しており、人材面での交流も広げている。また米国では油圧ショベル事業の現地法人を母体として、クレーン事業の現法の統合を実施した。アラブ首長国連邦のドバイに新会社も設立しており、油圧ショベルやクレーンの保守サービスなどを提供する。拠点を統廃合する効果がこれから出てくる」
<次のページ、キャタピラージャパン代表>
「鉱山機械シェア向上へ」
―国内外の需要の見通しは。
「地域によっては好転する兆しがみられ、中国は底打ち感が出ている。油圧ショベルの需要を2万2000台と見込んでいたが、もう少し回復しそうだ。春節明けの需要で今後を占うことができる。一方、駆け込み需要の反動が続く日本や、エネルギー関連の投資が減少している北米などは不調だ」
―インド市場の成長が見込めます。
「比較的に好調で、上期だけをみると中国を抜くかもしれないと思っていた。インドで生産している機種を現地で販売するとともに、中東にも輸出している」
―中国・安徽省の第二工場を売却する方針を示しましたが世界の生産状況は。
「需要地で生産するのが基本で、生産品を組み替えることで、作業量を確保する。例えば、(需要が落ち込んでいる)ロシアの工場では欧州の工場に溶接による構造物を供給している。逆にインドネシアの工場は東南アジアでの需要が高まっていて忙しい」
―鉱山機械分野の企業を相次いで買収します。
「米H―Eパーツは米州や豪州で鉱山機械の修理を手がけていて、部品も開発している。長期間稼働している機械の買い替えに関連する情報を共有し、H―Eパーツを通じて我々の機械が導入されていない鉱山も開拓できる」
―中期経営計画の重点分野の一つが鉱山機械です。
「まだまだやるべきことが多い。2008年に始めたダンプトラックのシェアが約10%で、さらに高める必要がある。機械を導入してもらうためには、サービス体制を整える必要がある」
―工事現場でICTを活用するニーズが見込まれます。
「昨年10月に『ICTデモサイト』を開設し、測量機器メーカーのニコン・トリンブルやドローンによる測量を手がけるテラドローンなどの製品も紹介している。今後もさまざまな企業と連携する」
コベルコ建機・楢木一秀社長
「測量機器会社との連携重視」
―国内市場は需要が低迷していて厳しい状況です。
「メーンの顧客であるレンタル会社は、建機の稼働率が落ち込んでいることもあり、(購入を)様子見の状況だ。排ガス規制に伴う駆け込み需要を見込んでいるが、最小限にとどまるだろう。一方で、シェアは伸ばしている」
―国土交通省が工事現場での情報通信技術(ICT)の活用を進める方針を打ち出しました。
「(ICT対応に向けた組織の)『ICTホルナビ推進室』を設けていて、測量機器メーカー3社とも協業する。ただ我々の目的は油圧ショベルを売ることだ。測量機器メーカーの事業領域には手を出さない。石橋をたたいて渡るような意識で取り組んでいく。かなり大規模な工事はアイ・コンストラクションに対応するだろうが、大多数の工事はまだまだ従来通りだ」
―中国市場の動向をどう見ますか。
「建機の稼働時間が以前よりも2割程度増えており、下期も需要が高まっている。しかし、代理店の財務体質が弱い状況だ。そのためシェアを伸ばすことよりも、(販売面での)与信管理を最も重視している。春節明けの需要も当てにすることなく、市場を保守的にとらえている」
―アジアでの拡販も求められます。
「インドでは需要が前年同期よりも3割以上伸びている。ハイエンド(上級)の油圧ショベルではトップシェアを握っていると考えている。東南アジア全体でみても、シェアが高まっている」
―コベルコクレーンと経営統合してから4月で丸一年を迎えます。
「人事や財務、資材調達などを一本化しており、人材面での交流も広げている。また米国では油圧ショベル事業の現地法人を母体として、クレーン事業の現法の統合を実施した。アラブ首長国連邦のドバイに新会社も設立しており、油圧ショベルやクレーンの保守サービスなどを提供する。拠点を統廃合する効果がこれから出てくる」
<次のページ、キャタピラージャパン代表>
日刊工業新聞2017年1月5日/6日