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名門企業が多様な働き方へ環境作り。三菱重工は「在宅勤務制度」を試験導入

日本生命は自宅に近いオフィスで勤務可能に。育児・介護でキャリア中断防ぐ
名門企業が多様な働き方へ環境作り。三菱重工は「在宅勤務制度」を試験導入

「日本生命本店東館」にいる約3300人の職員のうち9割が女性

 三菱重工業は「在宅勤務制度」を2015年度から試験導入した。育児や介護が社員のキャリア中断や離職の大きな要因になっていることを踏まえ、仕事と生活の両立を実現する狙いだ。同時に「配偶者の海外赴任に伴う休職取扱」制度を正式導入した。三菱重工は2020年に女性管理職者数(課長相当職以上)を3倍に引き上げる目標を掲げ、育児休業制度や社内保育園などを整備してきた。さらなるキャリアアップ施策として、多様で柔軟な働き方ができる環境をつくる。

 三菱重工とグループの三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の正社員を対象に「在宅勤務制度」を試行的に導入した。10月をめどに施行結果を集約し、その後の方針を決める。対象者の中心は育児・介護勤務者。年齢制限は設けないが、一定の割合で出勤することを想定している。

 一方、配偶者の「海外赴任に伴う休職取扱」制度は、配偶者の海外転勤に同行し、休職後も引き続き勤務する意思のある従業員を対象としており、期間は最大4年間。年齢制限は設けない。

 「グローバル化の進展などに伴い、海外赴任に同行するため退職を余儀なくされる事例が見受けられるようになってきている」(三菱重工)ことから、社員のキャリア中断や離職防止を図り、復帰後に海外での貴重な生活経験をいかして活躍してもらう狙いだ。政府が女性活躍推進法案を今国会に提出しており、企業の間で従業員に多様な働き方を認める動きが広がっている。安倍晋三政権は指導的地位に占める女性の割合を20年に30%にする目標を掲げている。
(日刊工業新聞2015年04月17日 機械・ロボット・航空機面)

 日本生命は「サテライトオフィス勤務」
 日本生命保険は「日本生命本店東館」(大阪市中央区)に勤務する30―40代の職員約30人を対象に、仕事と家庭の両立に向けた新サポートを2015年度中に実施する見込み。自宅に近く、通いやすくなるようにするため、通勤経路上の既存オフィスでの勤務が可能な「サテライトオフィス勤務」。京都・奈良・神戸エリアの事業所をサテライトオフィスとして活用する予定。育児・介護などで時間が制約される職員は、通勤の負担が大きく軽減される。

 また、育児・出産経験のある職員を「働き方コンシェルジュ」に任命し、社内で相談しやすい体制を整備。「仕事か家庭か」という二者択一ではなく、長期的に安心して働き続けるためのサポートを強化する。

 建て替え工事を続けていた本店東館は15年1月に完成。3月からこのビルに順次移転している約3300人の職員のうち、9割を女性が占めている。同館の「特別会議室」にはカラフルな椅子を配置し、壁全体をホワイトボードとして活用。落ち着いた雰囲気の中で、より自由で積極的な発言を促す。
日刊工業新聞2015年03月31日 金融面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
制度と同時に会社側は「出産や育児休業をとっても長期的にキャリアをサポートしますよ」というメッセージを社内外にしっかり発信することも重要。

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