熊本大、乳がん細胞が薬に抵抗する力を解明!ポリフェノール投与で増殖防ぐ
ホルモン療法が効きにくくなった患者に適用できる可能性
熊本大学発生医学研究所の斎藤典子准教授、中尾光善教授らのグループは、ヒト乳がん細胞がホルモン療法の継続で耐性を持ってしまう仕組みを解明した。ポリフェノールの一種「レスベラトロール」を投与すると、耐性にかかわる遺伝子などの発現を抑えて乳がん細胞の増殖を防ぐことから、ホルモン療法が効きにくくなった患者に適用できる可能性を明らかにした。
乳がんは女性ホルモンのエストロゲンに依存して増えるため、これを阻害する薬剤を使ったホルモン療法が有効だ。しかし、長期になるとエストロゲンに結合する受容体の遺伝子が活性化し、がん細胞が薬剤に耐性を持って再発するのが問題となっている。
モデル細胞を使った実験で、エストロゲン受容体の遺伝子の活性化と、たんぱく質を作らない非コードRNAの多量生成がかかわっていることを明らかにした。
これを「エレノア」と名付け、遺伝子の「オン・オフ」を制御する仕組みを解明した。耐性を持った患者を早期に見つける診断法に、エレノアが使えるかもしれないという。
乳がんは女性ホルモンのエストロゲンに依存して増えるため、これを阻害する薬剤を使ったホルモン療法が有効だ。しかし、長期になるとエストロゲンに結合する受容体の遺伝子が活性化し、がん細胞が薬剤に耐性を持って再発するのが問題となっている。
モデル細胞を使った実験で、エストロゲン受容体の遺伝子の活性化と、たんぱく質を作らない非コードRNAの多量生成がかかわっていることを明らかにした。
これを「エレノア」と名付け、遺伝子の「オン・オフ」を制御する仕組みを解明した。耐性を持った患者を早期に見つける診断法に、エレノアが使えるかもしれないという。
日刊工業新聞2015年05月05日 科学技術・大学面