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「銅」急騰も停滞・「鉄鋼」メーカー値下げ…非鉄・鋼材の需要が伸びない

「銅」急騰も停滞・「鉄鋼」メーカー値下げ…非鉄・鋼材の需要が伸びない

異形棒鋼相場は9月にトン当たり4000円下がったまま推移している(イメージ)

銅などの非鉄の国際相場と鉄鋼など鋼材の国内相場はいずれも価格が大きく変動する1年となった。銅は5月に国際相場が急騰し、鋼材は国内大手電炉メーカーの値下げが影響し建値が下がったが、足元は小幅なレンジで軟調な値動きとなっている。2025年も目先は国内外で強い需要が生まれる可能性は低く、市場関係者にとって価格動向の注視がより重要な年明けとなりそうだ。(編集委員・丸山美和、山田諒)

LME銅三か月先物相場

銅の国際相場であるロンドン金属取引所(LME)は、銅精鉱の供給不安や中国の景気回復期待から、5月20日にトン当たり1万1104・50ドル近辺の史上最高値を更新した。国際相場が急騰したことに加え、為替の円安進行で国内の銅建値も5月21日に同175万円と最高値を付けた。

その後は一進一退となり、10月2日には再び同1万ドル超えとなった。中国の景気刺激策が好感されて上昇したが、具体的な財政措置が示されず一時的な上昇にとどまり、国内建値も同151万円と5月の最高値には届かなかった。長期にわたり上昇基調とならない背景には、最大の消費国である中国の需要の弱さがある。

価格上昇の大きな要因となったのは中国の経済政策だが、重しも中国に起因する。非鉄金属相場に詳しいエコノミストは「データセンターの拡充や再生可能エネルギー関連施設向けの需要は伸びるだろうが、すぐさま必要になる状況とはいえない」と説明。目先は一進一退が続き、数年をかけて価格が上昇していくとみている。

国内の鋼材相場は下落後、足元は横張っている。主に建築案件に使われる厚板やH形鋼、異形棒鋼は引き合いが弱い上、大手電炉メーカーの東京製鉄が10月契約分で値下げを実施し下落した。

国土交通省の建築着工統計調査によると、10月の全建築物の着工床面積は前年同月比16・2%減の909万平方メートルと、12カ月連続で減少した。店舗や倉庫の減少が大きく、建築現場の人手不足や工期遅れが引き合いの弱さの原因だ。

東京製鉄は10月契約分の店売り向けの鋼材価格の建値を厚板でトン当たり1万5000円、H形鋼で同1万2000円、異形棒鋼で同1万円引き下げた。このため東京地区の厚板相場は9月に同5000円下落。異形棒鋼相場は同4000円、H形鋼相場は10月に同3000円下がった。

ただ相場の下げ幅はメーカーの下げ幅に達していない。値下げ分が入荷されれば、相場がさらに下がる可能性があり、流通各社は注視している。

日刊工業新聞 2024年12月23日

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