底堅い総需要維持も…11月大・中型トラック販売、三菱ふそうが唯一二桁減だった理由
日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた11月の大型・中型トラック(登録車種「普通貨物車」から積載量1―2トンの台数を除いたもの)の販売台数は、前年同月比19・9%増の6410台で2カ月連続で前年同月実績を上回った。部品供給の改善などに伴い底堅い総需要を維持している。一方で業界関係者は「架装能力不足の課題は依然として続いている」とし、車メーカーと架装メーカーの継続した連携が求められている。
企業別では三菱ふそうトラック・バスを除く3社が前年同月の実績を上回った。いすゞ自動車が同45・0%増、UDトラックスは同40・9%増、日野自動車も同12・5%増といずれも2ケタの伸びを示した。
いすゞは大幅増の理由について「2023年10月に(周囲の明るさに合わせて自動でヘッドライトを点灯・消灯する)オートライト装着が義務化される前の駆け込み需要の反動で、23年11月の登録が少なかったため」と分析する。
一方、同16・3%減だった三菱ふそうは「当社の販売比率が高い分野の架装工程の遅れが大きく販売に影響した」と説明する。
日系トラックメーカーが強いタイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)市場の減速が続く中、需要を堅持する日本市場の取りこぼしは避けたい。架装の長納期化の課題に対し、慢性的な人材不足を解消するためのデジタル変革(DX)や業界内連携など多面的なアプローチが必要になりそうだ。
日刊工業新聞 2024年12月12日