1時間あたり最大200㎖合成…CO₂と水から液体合成燃料を一貫製造、産総研がベンチプラント
産業技術総合研究所の望月剛久研究グループ長と高木英行研究企画室長、田中洋平主任研究員らはカーボンニュートラル燃料技術センター(JPEC、東京都江東区、宮田知秀理事長)と共同で、二酸化炭素(CO2)と水から液体合成燃料を一貫製造するベンチプラントを構築した。理論上は製造効率が従来の3割から45%に向上する。最大で1時間あたり200ミリリットルの燃料を合成できる。生産規模拡大への技術課題を抽出し、脱炭素につなげる。
CO2から一酸化炭素を作る反応に固体酸化物形電解セル(SOEC)での共電解を採用した。CO2と水蒸気を電気分解して一酸化炭素と水素の混合ガスを得る。一酸化炭素と水素を別々に用意する場合に比べてエネルギー効率が向上する。
混合ガスはフィッシャー・トロプシュ(FT)反応で燃料となる炭化水素に変換する。FT反応触媒と酸触媒を組み合わせて液体炭化水素の収率を向上させた。合成燃料はCO2を燃料として貯蔵しておけるため、炭素固定の有望候補になる。
日刊工業新聞 2024年12月07日