中国生産増強で需給悪化…旭化成、タイのアクリロニトリル事業から撤退
旭化成はタイのアクリロニトリル(AN)事業から撤退する。タイ石油化学大手のPTTグローバルケミカル(GC)との合弁会社であるPTT旭ケミカル(ラヨーン県)を精算する。経済環境の低迷や中国での生産増強による需給環境の悪化が響き、事業の継続は困難と判断した。10月末で現地工場の生産は停止し、12月末に製品の販売を終了。2025年―28年に工場設備の撤去工事を行う。
会社精算の具体的な時期は工場設備の撤去などを進めつつ決定する。撤退に伴って25年3月期に発生する費用は、同期の業績予想に織り込み済み。
PTT旭ケミカルの従業員235人は旭化成とPTTGCで再就職を支援し、旭化成の出向者5人は配置転換する。旭化成は日本と韓国でもANを生産する。
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日刊工業新聞 2024年11月18日