定年65歳に延長・賃金は年功要素弱める…島津、高度専門人材確保へ人事制度改革
島津製作所は高い専門性や能力を持つ人材の確保と活躍を目的に、正社員の定年を60歳から65歳に引き上げた。加えて若手社員の抜擢(ばってき)を見据え、昇級条件から経験年数を原則廃止し、賃金でも年功的要素を弱めた。
定年延長では、60歳以降もそれまでと同じ人事制度を適用する。ただ本人の希望で60―64歳での定年を可能とした。一方、年齢に関係なく役職登用できるように経営機関職の役職定年制も廃止し、上限6年の役職任期制を導入した。
同社は2026年3月期までの中期経営計画で人事制度改革を進めており、「マネジメント系列」と、技術開発などの専門性を追求する「プロフェッショナル系列」の複線型に人事制度を刷新。グローバル人材などと整合性がある賃金体系の整備を進めている。
井原薫執行役員は「学びを深める機会を設けたり、希望部署への異動を後押しするなど社内での人の流動性を高めるなどして、“人財”の定着を図っている」と話す。
日刊工業新聞 2024年10月3日