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「車載電池フィルム向け加工機」増産…東伸、10億円投資で新工場

「車載電池フィルム向け加工機」増産…東伸、10億円投資で新工場

本社敷地内に完成した第2工場

東伸(岐阜県大垣市、藤吉英紀社長)は、主力のフィルム切断機(スリッター)や同巻き取り機(リワインダー)を組み立てる新工場棟「第2工場」を本社敷地内に完成し、稼働した。投資額は10億円。既存の第1工場と合わせて組み立てスペースの広さを約2倍とし、2022年に参入した車載電池用フィルムの加工設備などの増産に備える。手狭だった組み立てスペースに余裕を持たせ、生産効率も高める。

第2工場は平屋建てで床面積は3079平方メートル。建屋の一部を資材置き場にし、今後の自動倉庫の導入も検討している。

組み立てスペースは間仕切りで二つに分け、顧客先別の使い分けなどにも対応できる。

第1工場で行っていた検査やテスト加工の機能も第2工場に移し、対応力を高めた。

東伸は新製品で今後の主力となるスリッター「bS(ビーエス)」と、リワインダー「bR(ビーアール)」の受注が好調を維持している。両機をベースに、車載電池のセパレーターや電極などのフィルム加工、巻き取りの専用機も投入している。

同社は食品包装材やテープ、ラップフィルム、電子機器や光学系のフィルム部材の加工用として、各種のスリッターやリワインダーを生産している。24年5月期の売上高は20億5000万円。今後は車載電池の部材向けなどの新規分野で増収を図る。現在84人の社員も増員していく方針だ。

日刊工業新聞 2024年9月26日

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