「車載電池」で需要広がる!住重モダンがフィルム加工機用金型で新工場
住友重機械モダン(横浜市港北区、黒河由紀夫社長)は、富津工場(千葉県富津市)にフィルム加工機向け金型の新工場を建設する。第5世代通信(5G)用プリント基板や電気自動車(EV)用リチウムイオン電池容器向けなどに需要が広がっている。ハイテク分野用のフィルム加工機は専用の金型が不可欠。金型新工場を設けて同加工機の増産に対応する。同社の金型生産能力は2倍になる。
新工場は富津工場から100メートル前後の至近地で3月に着工し、2023年3月ごろの稼働を予定。敷地面積は約5000平方メートル、建物面積は同2000平方メートルを見込み、土地代を除く建設費は十数億円を見込む。5面加工機や研削盤を備える。
同社のフィルム加工機は食品包装向けが中心だが、最近はハイテク分野が伸びている。
EV用リチウムイオン電池では数十マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の極薄で均一な厚さのフィルムが必要になる。これを実現する金型はハーモニカに似た横長構造で、数十の鍵盤状部品にそれぞれつないだチューブを経由して制御されたエア圧力をベローズに送り、テコの原理でリップ(スリット)開度を調整。膜厚を数マイクロメートル単位で均一に制御する。
住友重機械モダンはこの金型関係の商品でトップシェアを握る。
日刊工業新聞2022年1月21日