技能五輪国際大会が閉幕 「金」5個獲得、日本5位
若手技能者が技術を競う「第47回技能五輪国際大会」が閉幕した。日本は「産業機械」で3連覇を達成するなど金メダルを5個獲得し、国・地域別の金メダル獲得数で5位となった。首位の中国は金メダル36個で、2位の韓国(10個)に3倍以上の差をつけた。3位はフランスとスイスで、ともに6個だった。
産業機械に出場したデンソーの清水源樹選手は「金メダルを取れてほっとしている」と胸をなで下ろした。このほか日本は「自動車板金」「車体塗装」「再生可能エネルギー」「美容/理容」の4職種で優勝。銀メダルは5個、銅メダルは4個で計14個のメダルを獲得した。
企業別ではトヨタ自動車が自動車板金と車体塗装で金メダルに輝いた。自動車板金の小石嵩陽選手と車体塗装の星野悠音選手は2021年入社の同期。ともにトヨタ工業学園出身で切磋琢磨してきた。小石選手は「6年前から追い続けてきた夢がかなってうれしい」と笑顔で語った。
日本勢10連覇の期待がかかっていた「情報ネットワーク施工」では銅メダルを獲得。北陸電気工事の野ツ俣翔也選手は4日間の競技を振り返り、「うまくいかないことばかりで、一つひとつの課題を乗り切るのが大変だった」と話した。10連覇が達成できなかったことに関しては「ここまでつないだ9人の先代に申し訳ない」と悔しさをにじませた。
各競技は仏リヨン時間11―14日に行われ、日本からも多くの関係者が応援や視察のため訪れた。トヨタの松山洋司総務・人事本部副本部長は「皆ベストを尽くして頑張ってほしい。選手のやり遂げた姿を閉会式で見たい」とエールを送った。デンソーの海老原次郎経営役員は「現場で実用できる技能や技術にすることが大切。大会で磨いた技術力を現場に持ち帰り、皆で一緒にいろいろなものを生み出してほしい」と期待を示した。
閉会式は同15日夜、グルパマスタジアムで開かれた。26年に開催される中国・上海での次回大会に向け、ショーが繰り広げられた。