警備・清掃・物流…ロボット50台、高輪ゲートウェイが人と共生する世界を先取りする
JR東日本は2025年3月に一部街開きする「TAKANAWA GATEWAY CITY(タカナワゲートウェイシティ)」(東京都港区)で、働くロボットを50台規模で導入する。実証実験を行ったフードデリバリーロボや警備ロボ、清掃ロボに加え、新たに館内物流ロボの導入を検討している。街開き後、利用状況を見て台数を増やす。ロボットが当たり前に存在し、人と共生する世界を目指す。
25年3月に開業する複合ビル「ザ・リンクピラー1 サウス」と「同ノース」、25年度中に開業する「ザ・リンクピラー2」にそれぞれ、清掃ロボ・警備ロボを各2台程度、フードデリバリーロボを4―8台導入する。館内物流ロボは1棟に2台程度を検討する。館内物流ロボはカゴ台車を下から持ち上げて動かすAGV(無人搬送車)を選定中。エレベーターに乗って各階を上下移動し、各階での輸送は人が担う。
メーカーの異なる全てのロボが共通の情報基盤に接続し、位置情報の一括管理や協調制御を行う。ロボ同士が対峙して動けなくなるお見合いを防ぐほか、エレベーターとの連携によるエレベーターへの乗降、防犯カメラ映像の人工知能(AI)解析で得られる混雑情報をもとに最適ルート設定を行う。フードデリバリーロボは複合ビルの食堂から住居棟まで最長で1キロメートル程度を移動するという。
ロボはバックヤードではなく、来街者などと同じ通路(表動線)を走る。23年にKDDIと行った都内のビルでの実証実験で裏動線を走れず、表動線を走ったところ、人とうまく共生できたため踏襲する。
ビルやレストランで働くロボが増えてきたが、タカナワではさらに踏み込み、将来は「ロボットがうじゃうじゃいて、人が普通に過ごす状況をつくりたい」(JR東担当者)とする。今後、協調制御や防犯カメラ映像などの街の情報との連携によってロボ利用の幅を広げる方法などを関係者と検討する。