日本選手団「金」狙う!…技能五輪国際大会が開幕、69カ国・地域1360人競う
世界最高の若手技能者を決める技能の祭典「第47回技能五輪国際大会」が10日(現地時間)、仏リヨンの競技場「LDLCアリーナ」で開幕した。今大会は、69カ国・地域から過去最多となる1360人の選手が出場する。日本選手団は全59職種のうち47職種・55人が出場し、技能世界一の栄冠を目指す。競技は11―14日にわたり、「ユーロエキスポ」で実施される。(総合2、総合3に関連記事)
選手が一堂に集まるのは、2019年のロシア・カザン大会以来5年ぶり。金メダル2個で7位にとどまった同大会を上回る成績を残し、日本が3位以上に順位を上げられるか注目が集まる。
日本勢の金メダル獲得が本命視されるのが、日本のお家芸とされる「情報ネットワーク施工」。10連覇達成の期待がかかる。また「産業機械」は45、46回の2大会連続で金メダルを獲得しており、3連覇に向けてモノづくり立国・日本の真価が問われる。
「製造チームチャレンジ」と「自律移動ロボット」も有望な職種の一つ。日本の技能五輪の草分け的存在であるデンソーが得意とし、今大会でも同社の選手が全力で臨む。このほか「メカトロニクス」や「CNC旋盤」「CNCフライス盤」「溶接」「自動車板金」「構造物鉄工」などが有力候補になる。
一方、製造業系の職種でライバルとなるのが強豪の中国と宿敵の韓国。さらにブラジルやスイス、ロシアなどが上位に食い込むと予想される。また自国開催のフランスなど欧州勢は「洋菓子製造」や「造園」など伝統的に得意とする職種でメダル数を伸ばしそうだ。競技終了翌日の15日に閉会式が開かれ、結果が発表される。
技能五輪国際大会は1950年にスペインとポルトガルの両国が技能を競ったことに端を発する。原則22歳以下(一部25歳以下)の若者がモノづくりの技を競い頂点を目指す祭典で、2年に1度開催される。
海外勢と技能の熱戦、日本選手の意気込み
フランス・リヨンで開催中の「第47回技能五輪国際大会」。日本人選手に大会に懸ける思いや意気込みを聞いた。
「不安もあるが、わくわくする気持ちのほうが大きい」と語るのは、日産自動車の村上快仁選手。自動車の整備技能などを争う「自動車工」職種には36カ国の選手が出場する。村上選手は「他国の選手と技術や知識を競い合えるのは国際大会ならではの楽しみ」と語る。「車体塗装」で技を競うトヨタ自動車の星野悠音選手は「金メダルを勝ち取りたい」と覚悟を見せる。「これまでの訓練で取り組んできたことを出し切って頑張りたい」(星野選手)と意気込む。
生産現場を想定し2人のチームで挑戦する「メカトロニクス」に出場するトヨタ自動車の北川雄基選手は「最後の1秒まで諦めずに頑張りたい」と意欲を示した。ゲームキャラクターの作成などを競う「3Dデジタルゲームアート」に出場する日本電子専門学校の木村美保選手は、「とにかく楽しんで取り組みたい」と語った。また冊子や電子書籍の制作技能などを競う「グラフィックデザイン」に出場するセキの小松未咲選手も「最後は笑って終わりたい」と話した。
金メダル2個で7位にとどまった2019年のロシア大会を上回る成績を残し、日本が3位以上に順位を上げられるかが注目される。