半導体外販で攻める…東海理化、0.35㎛対応の新設備導入
東海理化は半導体外販ビジネスの強化に向け、生産体制を拡大する。2025年までに回路線幅0・35マイクロメートル(マイクロは100万分の1)まで対応する生産設備を導入。26年から供給を始め、幅広いニーズに対応する。同時に処理方式の一部を改善し、リードタイムを現状の30日から20日に短縮することを目指す。一連の新設備導入により、年間の生産能力を現状の5000万個から6700万個に引き上げる。
東海理化は現在、同1マイクロメートルの半導体を生産し、住設機器や工場自動化(FA)機器などに向けて外販している。今後は数十億円を投じ、本社工場(愛知県大口町)の半導体工場内に同0・35マイクロメートルまでの微細化に対応する設備を導入。併せてリードタイム短縮に向け、1枚ずつ処理する枚葉式の設備を追加する。
同社は主力のスイッチなど自社製品向けに半導体の多くを内製してきた。23年から半導体の外販を開始し同1マイクロメートルの半導体を供給してきたが、今後は対応サイズを拡大して幅広い需要に応じる。また、これまで多数のウエハーをまとめて処理するバッチ式と、枚葉式が工程に混在していたが、大部分を枚葉式にする。30年度に半導体の外販で売上高50億円を目指す。
半導体外販ビジネスは、多品種小ロット生産や短いリードタイムなど小回りの利く供給体制を強みとする。ニーズに対応するため、設計から開発、製造、検査まで一気通貫で対応する。
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日刊工業新聞 2024年08月27日