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「電子透かし」で生成AIの文章見抜く…日立が開発、新技術の必要性

「電子透かし」で生成AIの文章見抜く…日立が開発、新技術の必要性

電子透かしの検出画面。生成AIに特定の単語グループを高い割合で採用するように仕組む

日立製作所は29日、文章を生成人工知能(AI)が作成したかどうかを複数の「電子透かし」で見抜く技術を開発したと発表した。生成AIが文章を作成する際、特定の単語グループを高い割合で採用するように電子透かしとして仕組み、その検出頻度で判断する。これを複数採用することで、より偽造防止の制度を高める。生成AIによるフェイクニュース(虚偽報道)の乱造が世界的な課題になる中、不正利用防止などに貢献する。

生成AI作成の文章を見抜く手法として一つ前の単語から予測されるすべての単語をグループに分け、特定グループの単語を選びやすくするように細工する技術は以前から存在していた。電子透かしの作成・検出にはパスワードが必要になる。

今回、日立は特定のグループの中からさらに単語リストを選定して文章に反映させた。複数の電子透かしを採用することで、一つのパスワードが漏えいしてもすべてを偽造することが難しくなる。

研究開発グループ先端AIイノベーションセンタの永塚光一氏は生成AIによるフェイクニュース対策が国際的に進む中、「こうした技術の社会的なニーズは高い」と述べ、広く企業などに呼びかける必要性を説いている。


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日刊工業新聞 2024年07月30日

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