作業効率40%向上、電動1輪車が建設現場で果たす効果
CuboRex(キューボレックス、東京都葛飾区、嘉数正人社長)は16日、大和ハウス工業と共同で電動1輪車を使って建設現場の運搬作業を効率化する実証実験を実施したと発表した。通常の1輪車(手押し車、ねこ車)と比べて1往復当たり20キログラム増量でき、全体の作業効率を約40%高める効果が得られた。
実証に使ったのは、キューボレックス製の1輪車電動化キット「E―cat kit2」。インホイールモーターを内蔵したタイヤとバッテリー、アクセルレバーで構成し、20―30分の取付時間で既存の1輪車を簡単に電動化できる。
実証では通常の1輪車と電動1輪車の使用感を比較した。従来は長時間の作業に備えて1回当たりの重量を減らす必要があったが、電動化により可搬重量が増え、時間当たりの作業量を増やすことが可能になった。
また降雨後のぬかるみに車輪をとられることなく、スムーズに運搬できたという。
総務省の調査によると、建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに減少が続き、2022年はピーク時の7割弱となる479万人で、担い手不足が深刻化している。22年の年齢別内訳でも55歳以上が約36%に対し、29歳以下は約12%と、ほかの産業と比べて高齢化が進んでおり、重労働である運搬作業の省力化が課題となっている。
日刊工業新聞 2024年4月17日