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コマツ・コベルコ建機…電動ショベル15機種を認定、国交省の新制度は普及の足がかりになるか

コマツ・コベルコ建機…電動ショベル15機種を認定、国交省の新制度は普及の足がかりになるか

ミニショベル向け蓄電器と3トン電動ショベル

電動化建設機械は日本に根付くか―。国土交通省は2023年12月末、電動化建機を対象とする「GX建設機械認定制度」にコマツなど4社の電動ショベル計15機種を認定した。認定機種は今後、同省の認定を受けたことを示すラベルを付けられる。認定申請や機種は今後増える見通しで、同制度が国内の電動ショベル普及の足がかりになるか注目される。(編集委員・嶋田歩)

初回認定に申請した企業はコマツ、コベルコ建機、竹内製作所、山崎マシーナリー(静岡県磐田市)。コマツはマイクロショベルから3トン、13トン、20トンクラスまでの電動ショベル計5機種と有線式2機種、コベルコ建機は有線式3機種が、それぞれ認定された。

7機種が認定されたコマツは23年度を電動化建機の市場導入元年と位置付けており、「初回認定を弾みとして、取り組みをさらに加速させたい」(コーポレートコミュニケーション部)方針。竹内製作所は2トンクラスの電動ショベルと有線式3機種で認定を受けた。「土木工事現場の脱炭素に向けた製品開発と販売を着実に推し進めたい」(経営管理部)と張り切る。

電動化建機の普及ネックは価格の高さと並んで、充電インフラが未整備である点だ。工事中に電池残量がなくなれば作業が続けられず、充電の必要性が生じる。コマツのマイクロショベルはこの問題を、ホンダと共同開発したカセット式着脱電池で解決する。残量が不足してきたらその場で新しい電池に付け替え、作業を続けられる計算だ。また家庭用の100ボルト電源でも充電ができる。

電動ショベルでも電線を通じて電力が供給できる有線式ならば、この心配がない。ただ有線式の使用は、電源が近くにある場所に限定される。有線式3機種で認定を受けたコベルコ建機では「自動車などの解体現場や金属リサイクル現場で使われている」(企画管理部)という。「排ガスや騒音がこもりやすい建屋内で機械を動かす顧客から、高い評価を受けている」(同)と話す。

竹内製作所の有線式ショベルも山奥に立地する送電線の鉄塔などの立杭掘削専用機だ。鉄塔建設は台風などで倒壊しないよう、強固な基礎を作る必要があり、立杭の深さは数十メートルに達する。換気が不可能なため「排ガスの出ない有線ショベルの出番になる」(経営管理部)と捉える。

現状では電動ショベルは充電問題があるため、実利用は使用電力が小さいマイクロショベルやミニショベル、有線から直接電力を取れる屋内工事現場に限定される。一般建設現場で使うには充電インフラや稼働時間不足の問題をクリアしなければならず、価格の高さや充電時間の課題もあって建機市場全体に占める電動化建機の比率は1%にも満たない。

環境対策に積極的で電力料金の安い北欧ではこの点を考慮し、公共工事の入札を電動化建機施工に限定したり、充電施設の貸し出しや補助金の補填でインセンティブを与えたりしている国もある。日本でも同じように新たなインセンティブ措置がこの先講じられるかが注目される。


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日刊工業新聞 2024年01月08日

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