車載電池の再利用、海外で初主導…トヨタが中国合弁を設立する狙い
トヨタ自動車は明和産業や中国の国有資源大手である中国五鉱集団などと、車載電池を再利用する事業を手がける合弁会社の設立に合意した。中古車載電池のリユースやリサイクルなど資源循環の仕組みを整備。環境保護への貢献とともに持続可能な社会の実現を目指す。トヨタが車載電池の再利用プロジェクトを海外で主導するのは今回が初めて。
合弁会社にはトヨタと明和産業の中国現地法人のほか、中国五鉱集団傘下の中古車載電池リユース事業会社と電池材料・リサイクル事業会社が参画する。
中国ではカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)や再生可能エネルギーの活用などが注目され、各種対策が取られている。自動車業界では電動化が進む一方で、使用済み車載電池の処理問題が浮上。今後、大規模な廃棄も予想され、電池リサイクルシステムの確立が課題になっている。
トヨタは製造元や状態が異なる車載電池が混在する場合でも、蓄電システムとして電力の需給調整を担える仕組みの構築を進めている。これにより中古車載電池の価値が高まり、電池の回収から再利用までの資源循環に関するバリューチェーンを形成できるとみている。
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日刊工業新聞 2024年4月11日