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信越化学が830億円投資、半導体露光材生産で新拠点

信越化学工業は9日、半導体露光材料の製造・開発拠点を群馬県伊勢崎市に建設すると発表した。事業用地は約15万平方メートル。段階的に投資を実行する計画で、第1期では2026年までの完工を目指す。投資額は用地の取得も含め約830億円を見込み、全て自己資金で賄う。同材料事業では4番目の拠点となる。

同材料は先端半導体の製造に不可欠で需要が伸びている。

同社は1997年に同材料事業を立ち上げ、直江津工場(新潟県上越市)で当時最先端のフッ化クリプトン(KrF)フォトレジストの生産を開始。その後もフォトマスクブランクス、フッ化アルゴン(ArF)レジスト、多層膜材料、極端紫外線(EUV)レジストなどを手がけた。2016年に武生工場(福井県越前市)、19年に台湾の雲林県でも同材料の生産を始めた。

新拠点用地は顧客の要請もあり、リスク分散の観点で複数の候補地から選定した。

今後は同社における半導体材料の先進拠点として位置付け、研究開発などで半導体露光材料以外でも活用する方針。



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日刊工業新聞 2024年04月10日

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