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定格電流8割増…富士電機が再生エネ向けパワー半導体モジュール投入

定格電流8割増…富士電機が再生エネ向けパワー半導体モジュール投入

富士電機が開発した再生エネ向けパワー半導体モジュール

富士電機は大電流・高耐圧を実現した再生可能エネルギー向けパワー半導体モジュールを開発し6月に市場投入する。定格電流は従来の自社製品比で約80%増の1800アンペアと、業界最大級を実現した。大型化が進む風力発電や太陽光発電のシステムに使う電力変換装置に納入する。定格電圧は2300ボルトにも対応するため、同装置の小型化も可能。発電コストの削減により、カーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に貢献する。

開発したのはパワー半導体の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)モジュール。パワーコンディショナー(PCS)やインバーターといった電力変換装置に搭載され、周波数や電圧を調整する。2026年度に40億円の売り上げを目標にする。

今回、IGBTモジュールを再生エネ向けに定格電流と電圧を高めることに成功し、同装置の出力向上と小型化を可能にした。

最新世代のIGBTチップを搭載したほか、モジュール内部の端子配置やレイアウトなどを最適化。その上で高放熱部材を採用することにより、単位面積当たりの電流密度を高めることができた。その結果、モジュールの大きさは同じでも業界最大級の定格電流を実現した。

一方、電力変換効率の向上を目的に、電力変換装置でDC(直流)1500ボルト以上の高電圧化が進む中、これに必要なIGBTモジュールの定格電圧は2000ボルト以上とされる。従来はこれに対応するには1200ボルトなどのIGBTモジュールを2個直列接続する必要があった。

今回開発したIGBTモジュールでは耐圧構造の見直しなどで、定格電圧2300ボルトにも対応する商品も用意した。このため、1個で同装置に対応できるようになり、モジュールの搭載数や配線などの削減を可能にした。同装置の小型化にも対応でき、再生エネシステムのコスト削減につながる。


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日刊工業新聞 2024年04月05日

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