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「指輪」で社員の心身状態を把握、NTTPCが始める健康経営支援サービスの中身

「指輪」で社員の心身状態を把握、NTTPCが始める健康経営支援サービスの中身

指輪型バイタルセンサーで脈拍のゆらぎを計測する

NTTPCコミュニケーションズ(東京都港区、工藤潤一社長)は、指輪型バイタル(生体)センサーを活用して顧客企業の健康経営を支援するサービスを月内にも始める。社員が自身の心身の状態を把握してセルフケアできるほか、企業側は組織単位のバイタルデータを集計して組織ごとの活性度の変化を把握可能。2023年3月期決算から人的資本に関する情報開示が義務付けられた上場企業を中心に提案し、24年度に150社での採用を目指す。

スマホアプリで社員の1時間ごとの心身の状態を見える化する

指輪型バイタルセンサーで計測した脈拍のゆらぎを基に「集中状態」「疲労・不安」「安定・寛容」「燃え尽き」という四つの心的ストレス状態を算出し、独自に設定した心身の状態を指標化する。通常の状態と比較することで現在の状況を見える化する。月額料金は100台当たり17万円程度を予定している。

社員のプライバシーに配慮し、組織や上長には個人のバイタルデータ分析結果は開示されない。社員は業務時間中に同センサーを装着することでスマートフォンアプリケーションを通じ、自身の1時間ごとの心身の変化をグラフで把握できる。仕事の内容に応じた心の状態を認識し、時間や場所、疲労の度合いに応じた効率的な働き方につなげてもらう。

企業側には組織単位で集計されたデータを基に、組織ごとの活性度の変化を示すリポートを提供する。

NTTPCコミュニケーションズは23年10月にリストバンド型のバイタルセンサーを用いた健康経営支援サービスを開始。160社程度から引き合いがあり、約30社が導入を決めている。だが、腕時計とともにリストバンド型センサーを手首に巻くことに違和感がある利用者もおり、指輪型の提供を決めた。

24年度をめどに生成人工知能(AI)がデータを分析し、とるべき手段をアドバイスするサービスの提供も検討している。

日刊工業新聞 2024年3月12日

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