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体温や心拍数を“鏡”で取得して食事を提案するスゴイ仕組み

NTTデータと味の素が実証実験
体温や心拍数を“鏡”で取得して食事を提案するスゴイ仕組み

スマートミラーでバイタルデータを取得。個人の健康管理に役立てる

NTTデータと味の素は、個人の生体情報に基づき、食事・商品などを提案するライフログ(生活履歴)データ活用サービスの実用化に向けた実証実験を始めた。利用者が鏡の前に一定時間いるだけで体温や心拍数を計測できる「スマートミラー」を活用。取得した情報をもとに、味の素の機能性表示食品を提案することで、商品の購買率や利用者の健康意識の高まりなどの効果を検証する。企業からの需要が見込めた場合、2022年をめどに商用化を目指す。

実証では、顔認証カメラやサーモカメラなど、既存製品を組み合わせて試作したスマートミラーをNTTデータのオフィス内に設置し、生活動線の中で円滑にデータを取得できるようにした。

顔認識で個人を特定すると、約30秒でバイタル(生体)データを計測し、体温や心拍数、ストレスレベルを表示する。

利用者の同意が得られた場合、NTTデータの健康管理クラウドサービス「ヘルスデータバンク」の健康診断データを連携。ストレスレベル・健診結果に基づいた機能性表示食品を提案する。今後はスマートミラー上に決済機能を実装できるようにする。フィットネスクラブ、高齢者施設での利用のほか、社食でのメニュー提案などの活用方法を想定する。

NTTデータは「30年には、業界横断で生活者のデータ取得・活用が進む」と予測する。生活者にパーソナライズ(個別最適化)した、企業のサービス提供を支援する。

日刊工業新聞2021年7月13日

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