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従業員4500人が利用中、日産の生成AI活用法

日産自動車は本社や開発部門などの業務効率化と品質向上に向け、生成人工知能(AI)の活用を始めた。文章の要約やメールの作成、英語スピーチ台本の添削といったテンプレート(ひな形)を社内ポータルサイトに公開しており、日常の業務に利用できる。現在の生成AIはインターネットなど社外のデータを活用するが、2024年度は社内データを活用できるようにして、生成AIを活用できる業務を広げていく計画だ。

生成AIの市場規模見通し(製造業)

日産自動車が運用するのは、米マイクロソフトの「アジュールオープンAI」を活用したチャットアプリケーション「Nissan AI―Chat」。主に国内の日産本体で利用しており、23年12月時点の利用者は本社や開発部門の従業員の約3割に当たる約4500人となっている。

生成AIの社内活用は23年4月に導入の構想を始め、社内のユーザー部門から30人弱を選出。実際の業務での活用方法を検討し、AIへの指示文であるプロンプトを作成した。24年1月末時点で社内のポータルサイトに17個のテンプレートを公開している。

電機大手の生成AIの活用事例

テンプレートを使ったメール作成や文章添削では、「日程調整」や「丁寧なあいさつ」など、目的に応じた文章を作れる。日常的な事務作業を効率化するとともに、作業の品質を向上することを導入の目的としている。

今後、ユーザーごとのオリジナルプロンプトを保存する機能や、ユーザーが見つけた活用事例を共有する機能などを追加し、利便性を高める。プロンプトのサンプル数も1月末時点での12個からさらに増やす。24年度には日産の社内データを安全に利用できる環境を構築し、チャットボットなどのアプリケーションを開発する計画。社内データを使ったより高度な業務に活用を広げていく。

生成AIは広い業種で導入が始まっており、調査会社マーケッツアンドマーケッツの情報サービス「ナレッジストア」の調査資料によると、30年の生成AIの市場規模は約768億ドル(11兆5200億円)で、23年からの年平均成長率(CAGR)は31・5%。そのうち製造業の市場規模は約29億ドル(4350億円)、同23・9%と高い成長が見込まれている。製造業では日立製作所など電機大手が社内業務で生成AIの活用を進めており、自動車業界では車内の音声アシスタント機能などに活用する動きがある。


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日刊工業新聞 2024年2月27日

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