1500℃に耐える複合材開発、三菱ケミカルが宇宙応用狙う
三菱ケミカルグループはセラミック基材をピッチ系炭素繊維で強化した耐熱温度1500度Cの複合材を開発した。一般的な構成部材であるセラミック繊維の代わりにピッチ系炭素繊維を採用。表面に酸素透過バリアー層を設けることで、1500度Cの空間で1時間保持した場合にも強度の低下を防げる。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラムで参考値として提示する「1600度Cで800秒」の条件にも耐えられるとみており、航空宇宙用途への展開を目指す。
今後は性能の向上に取り組み、2030年代前半の実現が目指されている宇宙輸送システムの往還機で、熱シールドへの採用などを視野に入れる。
日刊工業新聞 2024年02月20日