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原子力機構など、土壌の金属イオン吸着挙動解明…地層処分・資源探査に活用

日本原子力研究開発機構の山口瑛子研究員と奥村雅彦研究主幹らは大阪大学東京大学と共同で、土壌中における金属イオンの吸着挙動を分子レベルで解明した。水に溶けにくく、イオン半径が大きい金属イオンが粘土鉱物により強く吸着する傾向を示すことが分かった。放射性廃棄物の地層処分のリスク低減や放射性物質の除染に役立てられる。資源探査や農業の効率向上、火星など地球外惑星の環境推定にもつながると期待される。

放射性元素の多くは土の中で金属イオンとなって粘土鉱物に吸着するため、動きの予測には吸着反応の理解が求められる。だが、金属イオンと粘土鉱物の吸着は複雑で、種類ごとに反応が異なる。

研究グループは大型放射光施設(SPring-8)での分子レベルの実験と高精度なシミュレーションを組み合わせ、粘土鉱物に吸着した金属イオンの構造を解析した。

その結果、水への溶けにくさとイオン半径の二つの要素で吸着挙動を統計的に説明できることが分かった。

水への溶けにくさは錯体形成に重要で、イオン半径が大きいイオンは水分子を伴わず吸着する内圏錯体を形成して粘土鉱物に強く吸着する。小さい場合は水分子を伴う外圏錯体を作り吸着は弱い。

採取した土壌試料で、イオン半径の大きな放射性元素のラジウムなどが内圏錯体を形成して強く吸着していることを確かめた。

日刊工業新聞 2024年02月19日

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原子力機構の『価値』
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