顧客の量産化をイチから支援 ―幅広い業種で培った設計力を生かして提案
記者の目/ここに注目
□ゼロからのモノづくりで幅広い知識と技術が身につく
□社内にジムあり!全国で500位以内の健康経営!
家電や自動車、医療業界まで幅広い業種の顧客を抱えるダイサン・(ドット)。顧客の要求に合わせた特殊用途向け製造ラインの設計・開発から製造、販売まで手がける。顧客とともに、生産プロセスをゼロから考え、機械や装置を設計、製作し自動化を実現する「ゼロイチ」で物を作る。しかし、完成した機械には、顧客の企業秘密が詰まっており、関係者以外には具体的な説明ができない。こうした仕事を任せてもらえるほどの信頼と実績、そしてどんな難題でも対応する実力を備えているのが、強みだ。
今後も拡大する自動化マーケット
田中知克社長が「お客さんも(工場に来ると)びっくりする」と話すほど、さまざまな機械を扱う同社。サイズもさまざまで、小型機械は必要なボルトのねじ径が直径2ミリメートル。
一方で、同30ミリメートルのボルトが必要な大型機械も手がける。劇的な労働人口の減少の中、生産現場の自動化は今後もあらゆる産業で需要増が見込める。中でも同社は、さまざまな業種に機械を提供してきただけに「時代が変化しても順応できる」(田中社長)とこれまで蓄積してきたノウハウに自信を示す。
それだけに、入社後1年間は、技術部門だけでなく総務や営業も含めたすべての部署を経験する「ジョブローテーション」を実施する。1年を通してさまざまな業務を経験し、自分の興味があることや熱量を注げることを見つける「自分探し」をしてもらう。この制度は、自分の適性を見極めるだけでなく、「後工程を考えた仕事ができるようになる」、「すべての先輩社員に顔を覚えてもらう」といった仕事を円滑に進めるための重要な役割も果たしているという。
必要となる幅広い知識は自身の武器に
同社の設計部署では、文系出身の女性社員が電気設計に従事する例もあり、挑戦する気持ちがあればスキルアップできる環境が整っている。受注する機械の大きさや用途はさまざまで、設計や製作に必要な技術・知識も多岐にわたる。さらに、海外の取引先も多く語学能力も必要となる。そのため、業務に必要なスキルや資格の取得支援だけでなく、資格手当という形で給与面でも後押しする。海外とのやりとりもあるため、学ぶことが多く大変だが、知識や技術はすべて自分の身に付く。「武器をたくさん手にしたい人にとっては、強くなれるフィールドだ」(同)と期待を寄せる。
頭脳だけでなく、身体を鍛えられる仕組みも充実している。中小企業では珍しく、社内にジム設備が整えられ、パーソナルトレーナーも所属している。ジムではトレーニングのアドバイスを受けることができ、就業前、昼休み、終業後に汗を流す社員も多い。トレーニングのモチベーション維持のため、チームを組んで健康維持活動の目標を設定。みんなで協力して目標達成に取り組み、優秀なチームを表彰する仕組みも設けている。この結果、2023年には経済産業省と日本健康会議が認定する「健康経営優良法人2023」の中小規模法人部門で上位の「ブライト500」にも選ばれるほど、健康への意識も高まっている。
「ダイサン・(ドット)」という社名は、「どうしても1画増やしたかった」と言う社長の熱い思いと、Dをもじった帆船のロゴの「帆が『どっと』膨らむように」という気持ちが込められている。「時代によって吹く風は変わる。フォローの風でなくとも、少しでも風があれば船は前に進んでいく」(同)と逆風にも負けず会社を強くしてきた。現在は、顧客の要望に応じて製作する製造ラインがメインだが、将来に向けて環境保全につながる自社ブランド製品の創出にも挑戦している。
理系出身の若手社員に聞く
顧客の企業秘密に関われるのが楽しい
技術部に所属し、納めた装置の改良や装置の設計を任せてもらっています。扱う装置は、求められる精度が同じでも、大きさが1メートルのものと、2メートルの製品を流すためのものなど多種多様です。また、一貫生産体制なので設計だけでなく取扱説明書の作成も担当します。
お客様の「企業秘密を扱う仕事」という部分が魅力です。ジョブローテーションですべての仕事を経験するので、次工程を考えながらの仕事ができ、他部署への仕事のお願いもしやすく働きやすいです。
会社DATA
所在地 愛知県小牧市間々原新田629-1
設立 1953年12月
代表者 代表取締役社長執行役員 田中 知克
資本金 1億円
従業員数 100人(2023年11月時点)
事業内容 特殊用途向け産業用生産機械の開発・設計・製造
URL https://www.d-daisan.com/recruit/