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計算エラー99.2%→1.6%、東北大が確率論的コンピューティングに新手法

計算エラー99.2%→1.6%、東北大が確率論的コンピューティングに新手法

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東北大学の鬼沢直哉准教授と羽生貴弘教授は、確率論的コンピューティングの性能を向上させる計算法を開発した。計算の基本単位となる確率ビットの発振を制限する。組み合わせ最適化問題を解くと、計算エラーを従来法の99・2%から1・6%に低減できた。確率論的コンピューティングで解ける問題の規模を広げ、省エネルギー化した計算機になる可能性がある。

確率論的コンピューティングでは、確率的に0と1の間の値をとる確率ビットという基本単位を利用する。出力値は0と1の間で発振する。この発振に制限をかける。出力値の時間平均をとったり、確率ビットの一部を不活性化したりして制限すると計算が収束しやすくなる。

組み合わせ最適化問題に適用すると、時間平均化と不活性化の両方とも最適値にたどり着いた。従来法は計算を100回試してもすべて計算エラーになってしまう。

確率論的コンピューティングは既存の計算機よりもエネルギー効率が高く、大規模な組み合わせ最適化問題や機械学習を解く手法として期待されている。

日刊工業新聞 2024年2月13日

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