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電気抵抗率/シート抵抗測定装置のニッチトップ —半導体や薄膜の開発や測定を支えるプロ集団

理工系×企業ジョブマッチング/ナプソン
記者の目/ここに注目
□半導体ウエハー抵抗測定、液晶薄膜測定での販売シェアは世界で80%以上を誇る
□昨年度、賞与実績年間10カ月。今年度は、さらに上乗せを予定

半導体、液晶、太陽電池向けに、抵抗率/シート抵抗測定装置を製造・販売するナプソン。同社の測定装置は、半導体材料のシリコンウエハーや液晶パネルなどの抵抗率、膜厚などの検証に使用される。半導体部品、液晶パネル、太陽電池を開発、製造するうえでナプソンの測定装置は欠かせない存在となっている。

身近なところでは、スマートフォンやタブレット端末の画面に貼られている導電膜シートの抵抗率を測定する装置などがある。世界各国の半導体材料や太陽電池、フラットパネル(液晶、有機EL)、タッチパネル、カーボン系新素材などの研究機関、メーカー、大学などが販売先だ。

先代の創業者から経営を引き継いだ中村真社長は、「私は創業から5期目に中途入社し、当時は社員が10人弱ほどしかいなかった」と振り返る。中村社長は入社当初、米国などに自社製品を売り込む海外営業の担当として奔走。「米国の会社がナプソンの製品に興味を持っていて、現地でOEM(相手先ブランド)による展開をしようとしていた」(中村社長)と明かす。今では、同社の海外売上高比率は7割に上り、エンジニアは装置の据え付けでアジアやヨーロッパなど海外に出かけていくチャンスもある。

創業以来磨き続けてきた電気抵抗率測定技術

半導体材料や薄膜などの電気抵抗を測定する方法は接触式と非接触式の2種類がある。接触式はサンプルに針を当て測定するもので、測定対応範囲が広く、さまざまなサンプルタイプに使用できる。非接触式は測定器の間にサンプルを挿入して電気抵抗を測定する方法で、サンプルにダメージを与えることがない。

代表取締役 中村 真さん

中村社長は「接触式のメーカーは国内に数社、世界に3〜4社ほどあるが、国内で非接触式の抵抗測定器を手がけている会社は当社以外にない」としたうえで、「接触式と非接触式の両方式の測定器を本格的に開発・製造・販売する企業は、世界中でナプソンだけだ」と淡々と話す。

ナプソンは半導体材料、薄膜、フラットパネル業界に対しては、独自に確立された販売網によって、国内だけでなく海外でも高い市場占有率(シェア)を誇る。根幹となる電気抵抗の測定技術は一貫しているが、用途は半導体ウエハーから太陽電池、液晶、有機EL、パワー半導体向けの化合物などへと広がっている。

若手社員に広がる活躍の場

ナプソンの強みは何と言っても研究開発力。技術職のうち、約2割の人員を開発専門に割き、これまで取得した特許は10以上に上る。産学連携にも積極的で、新潟大学、山形大学、千葉大学などと共同研究の実績があり、山形大学とは共同特許も取得している。「電気抵抗以外の測定に関連するさまざまな技術も開発しており、現場から上がってきたアイデアをもとに新規プロジェクトにも常に取り組んでいる」(中村社長)。

採用面では技術職を中心に、設計・電気・機械・ソフトウエアなどの幅広いエンジニアが活躍。2024年4月の新卒採用については、①電気設計・測定開発、②機械設計、③制御系(PLC)設計、④ソフトウエア開発の4職種を想定し、数名を採用する予定。

中村社長は「基本的に機械系を学んできた人は機械設計、電気系は電気設計・測定開発といったように配置するが、本人のやる気と希望があれば、専門外の職種に転じることも可能」と説明する。最終学歴は高専、短大、大学のいずれかを卒業した人で、「技術職の場合は、モノを組み立てたり、機械いじりをしたりすることが好きな人は向いているのではないか」(中村社長)という。

入社後は約3カ月間、各部署で専属の教育係とマンツーマンで製品の組立や測定器の原理などを一通り学んで基礎を身につける。社内の研修とは別に、社外でセミナーや講習会などに参加する際には、会社としてサポートしている。

セミコン上海2019 ナプソンの現地代理店ブース
ナプソン クリーンルームでデモ測定の準備

理系出身の若手社員に聞く

自由にトライできる風通しの良い社風

技術部 開発課 牛込 賢治さん (2006年入社)

高専の電気電子工学科に在籍していた時に、担任教諭のもとへ当社の先代社長が技術相談に来られたことがきっかけで、入社しました。当初は事業のイメージが湧きませんでしたが、実際に非接触の電気抵抗測定器の開発に携わると、自由にトライアルできる社風だと感じるようになりました。例えば回路設計で今までと違う方式を試してみる、といったように、自分の発想で仕事に取り組んでいます。今は受注が多く忙しいですが、落ち着いたら新たな分野にも挑戦したいと考えています。

会社DATA
所在地  東京都江東区亀戸2-36-12
     (工場:千葉市緑区大野台2-5-10 緑と森の工業団地)
設立   1984年7月4日
代表者  代表取締役 中村 真
資本金  5000万円
従業員数 50人
事業内容 電子機械装置(半導体関連測定機器)の研究開発、製造販売、輸出 輸入
URL   https://www.napson.co.jp/

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