トヨタのベンチャーファンド、船舶向けバッテリーシステム開発会社に出資の狙い
トヨタ自動車のベンチャーファンドであるウーブン・キャピタルは、船舶向けバッテリーシステムを手がけるノルウェーのコルバス・エナジーに出資した。コルバス・エナジーはトヨタの水素燃料電池(FC)技術などを活用し、船舶におけるバッテリーやFCの開発を加速する。出資額は非公開。
コルバス・エナジーは船舶用バッテリーを提供し、船舶向けの燃料として水素の利活用も進める。一方、トヨタはFCモジュールの技術を持つ。
トヨタはウーブン・キャピタルを通じて出資することで、自動車だけでなくさまざまな企業や分野にも水素活用の輪を広げ、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現につなげる狙いがある。
ウーブン・キャピタルはトヨタの事業を強化するスタートアップを発掘・育成するファンドとして運営する。トヨタは地域のエネルギー事情に応じたパワートレーン(駆動装置)を提供する「マルチパスウェイ」を戦略の「1丁目1番地」に据えている。水素やFCの活用も、同戦略の柱の一つとなる重要な取り組みと位置付ける。
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日刊工業新聞 2024年02月08日