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次世代原子炉「SMR」開発協力も…東工大発スタートアップ、仏原子力発電と提携

最新鋭フィルターベントを導入
次世代原子炉「SMR」開発協力も…東工大発スタートアップ、仏原子力発電と提携

ジーエックスエナジーが開発するSMRのイメージ

東京工業大学発スタートアップ、GX ENERGY(ジーエックスエナジー、東京都中央区、奈良林直社長)は、フランスの原子力発電関連会社のヌヴィアと提携した。まずヌヴィアが手がける原子炉に対し、2024年度にもジーエックスエナジーの最新鋭フィルターベントを導入し実用化する。将来は次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」の開発についても協力を検討する。

フィルターベントは原発事故の際、圧力上昇による格納容器の破損を防ぐため、蒸気を大気中に放出する設備。放出時はフィルターで放射性物質を除去する。

ジーエックスエナジーの最新鋭フィルターベントは東工大やラサ工業などが経済産業省の支援を受けて開発した。ジーエックスエナジーが実用化を目指している。カーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)が進展する中、世界各地で原発需要が高まっており、フィルターベントのニーズも増大する見通し。今回の提携を機に事業拡大を目指す。

同社のフィルターベントはスクラバーや特殊なゼオライトなどを用いた多段階フィルターを通過し、ヨウ素や希ガスなど、さまざまな放射性物質を吸着する。ヌヴィアがフランス国内で手がける原子炉に導入して安全性を高める。また、フィルターベントを活用した空気浄化システムでも協力する。

SMRの開発協力も協議する。ジーエックスエナジーのSMRは、炉心への冷却水の循環にインターナルポンプを採用。ポンプの回転数を変化させることで、電気出力を30万キロワットから80万キロワットまで変更する「負荷追従運転」を可能にする。このほか、原子力をエネルギー源にした宇宙船開発での協業も検討する。

同社は今後、米国やカナダの原子力メーカーとの提携も目指す。米国は原子力を活用する方針を示しており、安全性向上の需要は大きいとみる。

日刊工業新聞 2024年01月25日

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