NECのAIと木村屋の「本気」で開発、恋の味がするパン5種の中身
会話・歌詞をAI分析、若年層に訴求
NECと木村屋總本店(東京都江東区、木村光伯社長)は17日、恋愛感情と食品をひも付けて味を表現した「恋AIパン」5種を開発したと発表した。Abema TV(東京都渋谷区)の配信番組「今日、好きになりました。」の出演者の会話と、約100万曲の歌詞をNECの人工知能(AI)で分析し、恋愛感情の変化を味で表現した。
商品化したのは「運命の出会い味」「初めてのデート味」「やきもち味」「涙の失恋味」「結ばれる両想い味」の全5種。2月1日から木村屋の直営店やオンラインショップ、関東近郊のスーパーで順次販売する。価格は各200円(消費税込み)。
活用したAIは三つ。まず音声認識AIで番組の会話データ15時間分をテキストとして抽出した。次にデータ意味理解AIを用いて、恋愛シーンごとの会話文に32個の感情ワードとの相関を表した感情スコアを付与。さらに約100万曲からフルーツやスイーツなどの言葉を含む約3万5000曲を抽出し、食品のイメージが持つ感情の傾向を可視化して商品開発に役立てた。商品パッケージの紹介文の作成にはNECの大規模言語モデル(LLM)「コトミ」を活用した。
17日都内で開いた発表会で、木村屋總本店の斉藤浩二取締役は「若者の恋愛を応援するパンを本気で作った。若年層の新規顧客を獲得し、創業155年を迎える当社を次の世代へと継承したい」と語った。
日刊工業新聞 2024年01月18日