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子どもの読書離れ深刻化、デジタル時代に求められる新たな形

文科省が基本計画、未来担う人材に

テレビやインターネットといった情報メディアの発達や普及は子どもの生活環境に影響を与えている。その一つとして指摘されているのが「読書離れ」だ。読書活動は言葉の学習や感性・表現力の向上などにつながる可能性が高く、文部科学省では子どもの読書活動の推進に関する基本計画を進めている。幼い頃から読書の習慣を身に付けることで、将来的に創造力豊かで社会で活躍する人材となることが期待される。(飯田真美子)

※自社作成

文科省の子どもの読書活動に関する計画では、学校の図書室での読書だけでなく一人1台端末を配備する「ギガスクール構想」の端末を利用した電子書籍での貸し出しなど学校図書のデジタル変革(DX)を強化する。永岡桂子元文科相は「子どもの読書機会を確保し、読書活動の恩恵を受けられる仕組みを構築する」とした。

地域の図書館では、子どもの要望を取り入れた資料や環境整備、多言語・分かりやすい日本語で書かれた書籍の貸し出し、読み聞かせ会などのイベント実施の増加を進める。企業などへは読書感想文コンクールや募金活動への協力を呼びかけている。

全国学校図書館協議会は1カ月間に本を1冊も読まない児童生徒の割合を示す「不読率」を調査。政府は子どもの不読率を小学生2%以下、中学生8%以下、高校生26%以下にすることを目指しているが、近年はいずれも達成していない。特に新型コロナウイルス感染症拡大で学校への登校制限や図書館の臨時休業が増え、読書習慣に変化が見られた。デジタル化で電子書籍を読むことが子どもにも浸透しつつあり、新たな読書のカタチへの対応が求められる。

読書習慣は子どもだけでなく成人してからも重要だ。日本原子力研究開発機構は中核人材を育成するプロジェクトを進めており、参加者の課題の一つに読書がある。原子力機構の小口正範理事長は「リーダーとなる人材には専門知識だけでなく、幅広い知識が必要」と強調する。

日刊工業新聞 2024年01月08日

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