ホンダが成長需要取り込みへ投入、新小型SUVの性能
ホンダは21日、新型コンパクトスポーツ多目的車(SUV)「WR―V」を2024年3月22日に国内で発売すると発表した。インドで生産して輸入する初めての車。成長が続く250万円以下の価格帯のスモール・コンパクトSUV需要を取り込むため、商品ラインアップを拡充する。タイ、インド、日本の共同開発プロジェクトを立ち上げ、既存車種で使っている部品や仕様を組み合わせる方法で、価格を抑えた。販売計画は月3000台。
ホンダのSUVではミディアムサイズの「ZR―V」、コンパクトの「VEZEL(ヴェゼル)」に次ぐ位置付けで、20―30代のエントリー層を主なターゲットとする。ホンダは国内のスモール・コンパクトSUVはヴェゼルのみの展開で、市場シェアは現状約17%。WR―Vの投入で同33%に拡大したい考え。
車体寸法は全長4325ミリ×全幅1790ミリ×全高1650ミリメートル。スモールSUVより大きい車格で後部座席の居住性や458リットルというコンパクトSUVトップクラスの荷室を確保しつつ、消費税込みの価格は209万8800―248万9300円に抑えた。5人乗りで排気量は1・5リットル、ガソリン車のみの設定。衝突軽減ブレーキなどの安全運転支援機能も標準搭載する。
インドでは「エレベート」の名称で9月に発売しており、南アフリカ共和国にも投入する予定。日本向けには防錆塗装など一部の仕様を変更した。タイ、インドネシア、マレーシアで展開する同名のスモールSUV「WR―V」とは異なる車となっている。
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日刊工業新聞 2023年12月22日