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材料改質で量産対応、日新電機が世界初の半導体向け装置開発

日新電機(京都市右京区、松下芳弘社長)は11日、量産向け半導体材料改質装置「KYOKA(鏡花)=写真」を開発したと発表した。半導体製造工程で、シリコンなどの材料にイオンを照射して新機能を付与できる。材料改質に特化し量産能力を持つ装置は世界初という。2024年4月に顧客からのサンプル処理を受け付け、25年半ば以降に販売を始める計画。24年からの5年間で140億円の売り上げを目指す。

子会社の日新イオン機器(京都市南区)が、スマートフォンディスプレー製造装置で培った技術を応用して開発した。真空中でプラズマを生成し、プラズマの中に含まれるイオンを取り出して材料表面に衝突させることで材料を改質する。対象材料はシリコン系がメーンだが炭化ケイ素(SiC)にも使える。

300ミリメートルウエハーで毎時25枚以上の処理が可能。これまで実験的に少量の材料改質ができる装置はあったが、量産の目安となる毎時25枚以上の能力はなく、量産品への実用化が難しかったという。


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日刊工業新聞 2023年12月12日

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