ソフトバンクが747億円で買収、「つながる車」向けスタートアップの正体
ソフトバンクは5日、コネクテッドカー(つながる車)やソフトウエア定義車両(SDV)向けIoT(モノのインターネット)基盤を国際展開するアイルランドのキュービックテレコムを買収すると発表した。約4億7300万ユーロ(約747億円)を投じ、同社株式の51%を取得する。約190カ国の通信事業者との接続を一括管理できるキュービックテレコムのIoT基盤を通じ、コネクテッドカーやSDV市場の急成長を取り込む。
一部の既存株主のほか、第三者割当増資により、株式を取得する。各国の規制当局の承認などが前提となるが、2024年1―6月の取引完了を見込む。キュービックテレコムのバリー・ネーピア最高経営責任者(CEO)が引き続き、経営を担う。ソフトバンクの野崎大地常務執行役員がキュービックテレコムの取締役に就く。
キュービックテレコムは09年に設立。主要株主として独自動車大手フォルクスワーゲングループ傘下のCARIADや米半導体大手クアルコムがいる。同社のIoT基盤には世界で1700万台以上の車両が接続し、1日当たり約10億件のデータ通信を実現している。
コネクテッドカーやSDV向けIoT基盤で世界トップシェアを目指すほか、ソフトバンク傘下の人工知能(AI)企業などとの相乗効果も生み出す。
日刊工業新聞 2023年12月06日