生産性3割向上…遠隔・自動で杭圧入する新手法
技研製作所が開発
技研製作所は地中に杭(くい)を打ち込む圧入施工で、作業を大幅に効率化する手法を開発した。機械が自動で杭の傾きや変位を判断する自動運転システムと、遠隔操作システムを組み合わせた。オペレーター業務の軽減や省人化によって、3割程度の生産性向上が見込めるという。建設業界の課題である人手不足や長時間労働の解決につながるツールとして訴求していく。
同社は圧入機に杭をセットするだけで、計画通りの位置や深さに自動で圧入する「アイ・ナビリンク」と、圧入現場を3次元(3D)モデル化して地中の杭の状況を確認しながらの遠隔操作を可能にした「ジー・ラボ・ビジョン」を開発。これらを組み合わせ、圧入施工に活用した。
新手法の検証にあたり、同社東京本社(東京都江東区)から高知市に設置した建設機械「サイレントパイラー」を遠隔操作して自動圧入する実験を実施。杭を正確に地中に圧入できることを確認した。実証実験を踏まえ、今後は機械の技術的優位性とデジタル変革(DX)技術の連携を通じたソリューション強化を図る。
日刊工業新聞 2023年11月02日